第133話 高校三年生になれば元カノ様もモテ期のようです(2)
そうアイツ、沙紀の奴は、只今他のクラスの男子と廊下で楽しく? 会話の最中のようでね。
その様子を元々彼の俺と目が合い──完全に確認された事で何故か自身の顔色を変え動揺を始めだす。
まあ、始めだしても俺はいつもの如き、様子……。春の大型連休明けてからの沙紀の様子はいつもこんな感じで休憩時間になれば、他のクラスの男子がきてはアイツを呼び──。
教室外の廊下で恋話しを和気藹々としている元カノ様のモテ期がきているようだけれど。
先程も俺が独り言を呟きながら歩いている通りだ。
今の俺は沙紀の彼氏でもない赤の他人……。もうアイツと寄りを戻す気自体も今の俺にはさらさらないから。
俺は今回も沙紀の奴と目が合うと自身の視線を直ぐに教室に扉へと向け、プイ! と素知らぬふり。
自身の両足を素早く動かし、教室へと向かい入室……。自身の席へと向かい歩きだすと。
「ご、ごめんなさい。私好きなひとがいるから。今は誰ともおつき合いをする気がなくて本当にごめんなさい」と。
沙紀の奴の大変に慌て、困っている声音での断り、拒否の台詞が、俺の耳へと聞こえてきた。
「えっ! 神宮寺さんの好きな人って、もしかして山田?」
沙紀にお付き合いを断られた男子は、俺とアイツが完全に別れていると知っているから直ぐに訊ね始める。
沙紀の片思いのお相手は俺なのか? とね。
「うん」
すると直ぐにこれだ。あいつ、沙紀の奴は。
今沙紀と告白した奴がどんな顔をしているのかは、俺自身はよくわからなけれど。俺の経験上……。
そう、俺もアイツ、沙紀の奴に泣きながら捨てないでくれと嘆願をしてしまった黒歴史があるから。
沙紀に告白をしてふられた奴が今、どんな顔をしながらアイツと向き合っているのかは安易に想像がつく。
多分自身の顔色を変え、強張らしているに違いないと思われる奴が、動揺しながら頷いた沙紀へと。
「……でも神宮寺さんは山田にふられたんだろう? それでも山田の事を君は待つの?」
沙紀に断れた奴は多分苦笑いを浮かべながら訊ねたと思う。
「うん、和也には連休時に私ふられたのだけれど。それでも和也のことが好きだし。いつかは必ず私の許へと帰ってくれると信じているから本当にごめんなさい」
沙紀の奴は多分、自身と向き合う男子へと深々と頭を下げ謝罪──二度と自分の前に現れないでくれと遠回しに告げたのだと思う?
(お願い)
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