第132話 高校三年生になれば元カノ様もモテ期のようです(1)

「はぁ~、マジで歯痒い。歯痒いなぁ、牧田の奴。くそったれめ」


 由美に学園内の食堂でもう余り気にせずに忘れるように告げられた俺だけれど。あの牧田の俺様の事を侮り、舐めている態度を自身の脳裏で思いだせば、自身の気が荒々しく高ぶり。イライラ感がマジで止まらねぇから。


 俺はランチタイムを終え、由美と別れ食堂を後にし、自身の教室へと戻る最中もこんな感じで。あの他人を侮るようなヘラヘラと軽いノリの笑いを平然と浮かべる牧田の馬鹿の顔の事を己の脳裏で何度も思い出しつつイライラ感を募らせ。


 そう言えばあいつ? 牧田の奴のヘラヘラ笑いの顔って誰かに似ているよな? と思いつつ。


(う~ん、誰だっけかなぁ?)と、俺は廊下の天井を見詰め、唸りながら思案……教室へと向けて歩行を続ける。



(あっ! そうだ! あいつ! 牧田のあのくそ気持ち悪い笑い顔って、あの馬鹿、沙紀の元彼だった大学生の兄ちゃんが笑う時の顔……。イライラする笑い顔と一緒だな……。だから牧田の顔を俺は見ているとイライラするのかもしれん……となれば? 牧田の奴、沙紀に告白して自分の物へとするとか言っていたけれど。沙紀の奴は案外あの手の軽いノリのイケメンに弱いのかも知れないから? 案外あっさり牧田の告白了承……。その後は牧田の奴と朝昼晩と、ところ構わずS〇Xをや〇にや〇て、堕ちるところまで、落ちぶれてしまうのだろうな……)と、俺は脳裏で呟きつつ。


(もう沙紀と俺とは恋人同士ではなく、只のクラスメイトの立場だからどうでもいいことだから。まあ、いいか、放っておこう。俺がとやかく言える立場でもないし。もう一度でも他人の物になった女に俺は未練もなし。アイツに再度告白はされたが、俺は寄りを戻す気は一切ないと沙紀の奴へははっきりと告げているから)と。


 アイツの人生が今後どうなろうと知った事ではないと、自分自身に言い聞かせるように、脳裏で呟いていると。


「あっ!」だ。


 俺は、ではなく。この俺様と目が合った奴も「あっ!」だ。


 俺と同時に驚嘆を漏らし。俺に余り見られたくないものを見られてしまったと、そいつはぎこちない様子をみせる。



(お願い)


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