第252話 終焉(1)
「ああ、わかった。わかったよ。もうやめた。やめた」
俺が両手でバンザイ!
沙紀に降参したと気だるげに告げると。
「ああ、よかった」
沙紀は安堵した表情を見せるから。
「山田と新宮寺、俺はもう帰って良いか?」
牧田が鼻血を垂らしつつ、俺と沙紀へと訊ねてきた。
「もういいよ。さっさと帰って牧田。そして私の目の前に二度と現れないでくれる」
沙紀が牧田を睨みつつ。
とっと、この場から立ち去るようにと告げる。
「ちょい、待てやぁ、牧田……。俺との話しはまだ終わっていないぞ」と。
俺は、この場からズボンを上げ、慌てて立ち去ろうとする牧田へと。
呻るように待てと告げる。
「ちょっと和也、牧田の件はもう」と。
俺が牧田を睨みつつ、待てと告げたから。
沙紀の奴は慌てて、俺の背に手を当て止めてきた。
それでも俺は、沙紀の奴を無視しつつ、牧田へと声をかける。
「牧田、お前。自身のスマホを出せよ。そして俺に渡せ」と。
俺はまた牧田へと呻るように命令をする。
「あっ!」
沙紀は俺の意図がわかったのか?
声を漏らし。
「だ、大丈夫だと思うけれど」と。
沙紀は小さな声音で俺に告げてきたけれど。
「牧田~! 早くスマホを出せ! じゃないと?」
俺は牧田へと最後通告をすれば。
自身の利き足を上げ──。
また牧田を蹴る準備をすれば。
「新宮寺の胸や下の方とか撮っていないから」と。
牧田も慌てて俺に告げてきたけれど。
「いいから出せ、牧田。俺が今から確認するから」
いくら牧田が言い訳をしようが。
俺が自身の眼で、あいつのデータを確認している訳ではないから。
今直ぐだせと告げた。
でも牧田の奴が中々スマホをだし、俺に渡そうとしないから。
「牧田! 俺にスマホを渡さないのはいいが。お前のことを更にシバイてでも。俺は強引に奪うからな」
俺は自身の真横にある椅子を持ち上げ。
「おらぁあああっ!」と威嚇をすれば。
「山田、ちょっと待ってくれ。今直ぐ出すから」と。
牧田は慌てて自身の制服からスマホをだして、俺に手渡してきた。
だから俺は牧田のスマホの電源を慌てて入れる。
でも当たり前のようにロックが入っているから。
「おい! 牧田! お前のスマホのロック解除番号は、何番だ!」
俺は牧田へとまた、荒々しく訊ねる
◇◇◇
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます