第251話 高校三年生にもなってこんなにも暴れるから
『和也、もうやめてよ。やめて』、
『頼むからやめてよ。おねがい』
『頼むから、これ以上和也が暴力を振るい続けると。本当に大変なことになるから』と。
沙紀の奴は俺に払い、退けられ。
教室の床に何度も転げようが、何度も直ぐに立ち上がり。
アイツは泣きながら、俺に牧田を殴る、蹴るの、暴力を続けることをやめてくれ。
これ以上続ければ、本当に大変なこと。
俺の将来に関わる大変なことになるから。
沙紀自身のために、そんなことはもうやめて、帰宅の途につこうと嘆願をしてくるのだけれど。
俺自身がこの通りで。
牧田の奴が悲鳴を上げ、唸る様子を上から目線で見るのが楽しくて、仕方がない。
だから沙紀に俺は。
「沙紀、煩い! あっちへいっている。俺はもう鑑別や少年院いこうが関係ない。こいつ! 牧田だけは絶対に許さない」
俺は自身の背に抱きつき、俺が暴れるのを、自身の身体を張り、阻止しようとする。
沙紀の奴を振り払いながら。
嬉しそうに牧田を蹴る。
だってあいつ、牧田の奴は。
俺に蹴られる度に。
「うっ」、
「うっ」と苦痛な声を漏らすから。
それを俺は聞けばカ・イ・カ・ン……。
マジでイキそうなぐらい嬉しくて仕方がない。
でも、こんな狂乱をしている俺のことを沙紀の奴は。
いつまで俺の背後から抱きついて止めようとする行為を続ける訳は無く。
「和也が、これ以上牧田に暴力を振るい続け。今後の人生を私のために棒に振るならば。私今直ぐ舌を噛んで死んでやる~」
「死んでやるのだから~」、
「絶対に今直ぐに~」と。
沙紀は泣き喚きだすから。
流石に俺も牧田を蹴る足を止めるし。
牧田の奴も、自身の身体を丸くしながら呻る行為をやめ。
俺と牧田の二人は呆然としつつ、沙紀の方へと注目をすれば。
アイツが丁度、自身の口を大きく開けたから。
俺は咄嗟に沙紀の頬を打ち。
「きゃぁ~」と絶叫を上げた沙紀に。
「ちょ、ちょい。沙紀……。お前何を考えているんだ?」
俺は自身の顔色を変えながら沙紀へと問えば。
「私が和也に、何度もおねがいしてもやめてくれないからだよ」
沙紀の奴は、俺に対して恐れ慄くこともしないで睨みつつ、悪態をついてくる。
◇◇◇
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