第250話 高校三年生になれば、こんなにも怒ることがあるのかな? (22)
「沙紀ー! うそをつくな。うそをー! お前、今もそうだけれど。下着すら満足に履けていない状態で。俺に対してうそばかりついているんだ。あの大学生の男の時のように」
「うそじゃないよ。本当だよ。和也、信じてよ。私と牧田とは何にもない。起きてはいないから」
「はぁ、沙紀! 何をうそばかりついているんだ! 俺は牧田が制服のズボンを下げている状態で。お前に覆い被さっている状態を見て確認し。あいつの背中を蹴っているんだぞ! 沙紀ー!」と。
吠えに、吠え捲る俺だけれど。
俺自身も後で冷静に考えれば。
沙紀自身が、牧田のことを大変に嫌っていたのも知っているし。
こういった厄災が沙紀の奴に降りかかる恐れがあるから。
俺が沙紀の奴を守護。
守っていたんじゃないのか? と言うことにもなる。
それに、好きでもない男から、淫らな格好にされた沙紀の奴が、本当は一番傷ついているはずなのに。
俺は沙紀の奴が更に傷つくことを呻り、吠え。
また俺の背後から抱きつく沙紀のことを。
自身の身体と腕を使用して、強引に離し。
また突き飛ばす。
「わりゃあああっ! ビッチ! 退けぇえええっ!」と怒声──!
俺自身、こんな酷い言葉を心傷している沙紀に対して。
平然と吠えたところを見ると。
俺は未だ沙紀のことを許してもいないし。
アイツのことを全く信用していないのだと言うことも。
俺自身が悟ることができた。
だってこの後沙紀の奴が。
「きゃぁあああっ!」
と絶叫を上げ、床に倒れようと。
俺は沙紀に優しく手を差し伸べることをしないで。
俺はまた牧田の奴を蹴り回すために歩き始めるのだから。
◇◇◇
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