第75話 (第3ルート完)高校三年生になればこんなお別れもあるとは思う? (9)
でっ、サ○モールの店内へと入れば蘭の奴はラブコメのヒロイン様達のようなお約束事、テンプレシーンのように俺を派手な下着売り場へと導き。お店の前に着くと。
「和也、うちが着衣して似合いそうな下着を選んでよ。お願いだから」、「ふっ、ふふふっ。ペロリ」と。
ラブコメの大人っぽい御姉様ヒロインのお約束である妖艶な笑みを漏らしながら俺の腕を引きランジェリーショップへと連れ込もうと試みる。
でもさ、皆も知っての通りで俺は蘭の彼氏ではないからね。あいつに二の腕を強引に引かれ店内へと向かう最中に。
「いや、あのさ、蘭。この間も俺がお前に言ったと思うけれど。来年の春迄俺はちゃんとした返事を出す事ができないからと言ったじゃないか。だから蘭、今俺がお前の下着を選ぶのって可笑しいから、と言うか? 俺の趣味に合わす必要はないから」と。
俺は蘭に対して自身の顔と耳を紅潮しながら喚くように呟けば。
「あのね、和也……」と。
蘭は俺の二の腕を掴み、強引に店内へと向かっていた歩行をピタリと止め、立ち止まり。
俺の耳元へと自身の顔と唇を近づけて呟いてきた。
そうきたんだよ、蘭はね。だから俺は自身の両目を大きく開けて普通に蘭へと「えっ!」と驚嘆を漏らしたんだよ。
するとさ、あいつ、いきなりさ、俺の耳たぶを『ガブリ!』だよ。ガブリとカミカミしながら蘭は他人の目も気にせずに俺へと呻ってきた。
「和也あのさぁ、この間もうちがあんたに言ったと思うけれど。うちは別に返事などくれなくても良いと言った筈だよ。もうそれこそ? 大学を卒業して社会に出た後でも待つと言った筈だよ。今後あんたのストーカーになるから覚悟していてとねと笑いながら告げた筈だけれど。もう忘れたの、和也?」とね。
(お願い)
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