第76話 (第3ルート完)高校三年生になればこんなお別れもあるとは思う? (9)

 だから俺は、


「えっ、いや、あの、覚えている。いるけれど……。やっぱり俺、蘭に待ってもらうのは悪いと思うし……。お前によい返事をだせるかわからないから。俺の趣味に下着のデザインをわざわざ合わせ、俺の御機嫌窺いみたいな事はしなくていいし。必要はないから」と店内だから小声で言葉を返したんだよ。


 俺がこんな言葉をあいつに告げると蘭の奴は悲しむかも知れないから。あいつの顔を真面に見る事もできずに俯きながら呟いた。


 でもさ、蘭は、「和也は別に部屋で起きた出来事の事は気にしなくて良いよ。うちがあんたを誘い。甘えただけだから和也が負い目を感じる必要もないし。うちが和也の事が嫌いになれば勝手に離れていくから。それまでは二人きりの時ぐらいは彼女よぅな振る舞いをさせてよ。お願いだから。和也良いでしょう? それに和也もうちとのデートが嫌ではないから待っていてくれたんでしょう?」と、俺の耳元で囁き問うてきたから。


「うん」と頷いた俺だった。


「じゃ、行こう和也。うちが着衣して似合いそうな奴を選んでお願い。どんな派手、派手、いやらしいデザインの奴でも良いから」と。


 蘭は満身の笑みを浮かべながら俺に嘆願をしてくるから。


「うん、わかったよ……。じゃ、どれがいいかな?」と。


 俺は独り言を漏らすように呟きながら。


 俺の二の腕に自身の腕を絡めては甘えてくる蘭のナイスなボディに似合いそうな優艶な下着を何点か選んで、あいつにお勧めをした。


 すると蘭はランジェリーショップ内で、


「う~ん、うぅ~ん、二つ買おうと思うのだけれど。どれにしようか……」と考える人へと変化──思案を始め出す。


 その姿、横顔がさ、俺は何とも可愛いと蘭の事を昨日思い見ていたよ。



(お願い)


 レヴュー・星・感想・ハート等を軽い気持ちで頂けると励みになりますのでよろしくお願いしますm(_ _"m)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る