第96話 (第3ルート完)高校三年生になればこんなお別れもあるとは思う? (27)

「えっ! あっ、う、うん……。ご、ごめんなさい、和也……。で、でも、私……。私はべ、別にあ、あのひと……。じゃなくて彼……。いや、彼じゃなくてあの男性とは……」と。


 沙紀の奴は俺に罵声を吠えられて、慌てて背から離れると、完全に動揺を隠せない声色──台詞が途切れ、途切れの上に、しどろもどろの口調で言い訳を呟いてきたけれど。


 俺はそんな新宮寺に対して振り返る事もしないで、再度アイツへと。


「じゃなぁ、新宮寺、連休明けにまた会おう」と告げ。


「新宮寺、市内をフラフラと遊ばずに帰れよ。これ以上俺が幻滅するような事はするなよ……」と。


 俺は更に沙紀へと手を振りながら告げ。


「わかったな、沙紀? やけになるなよ……」


 俺は最後にはアイツの願望通りに名指しで呼び、自分の事を労ってくれる異性を探す為に本通りをフラフラとさ迷わずに家に帰宅をするように諫めるように告げると。


「う、うん、わかった。和也……。真っ直ぐ帰るね。じゃまた学校で……。バイバイ……」と。


 沙紀の奴は泣きながらだが、このまま自身の家に真っ直ぐ帰ると俺に告げ、別れの挨拶をしてきた。


 だから俺も「うん、わかった。じゃ、なぁ、沙紀。バイバイ……」と告げ、手を振りながら。


 この平和公園を後にして自転車で帰宅の途についた俺だから。沙紀との関係は完全に仲直りをする事もなく、曖昧な関係が今後も続く二人だったのだ。


(第三ルート完)


 ◇◇◇



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