第97話 (第3ルート完)第2章 序章(1)

 俺が教室の扉へと手を当て、〈ガラ、ガラ〉と音を立てながら開けると。


 そこは雪国でした……ではないなよね。(笑)


 そう、俺の教室内の雰囲気は、春の大型連休が明けようとも以前と全く変わらない光景……。


 俺が教室の扉を開けようとも誰も気にする事もなく、自身の周りにいる者達と雑談をしている風景なのだ。


 だから俺自身もいつもの通りだと思いつつ。何も気にする。気兼ねをする事もなく。そのまま教室内へと自身の足を踏み入れ歩き始める。自分の机と椅子に向かってね、何も変わらない光景だと思いつつ歩きだしたのだが。


「か、和也、おはよう……」


 自身の机と椅子へと向かて歩みだした俺へと、何処からともなく少女の声が、朝の挨拶として聞こえてきたのだ。


 それも俺自身が大変に懐かしいと思う。俺を名指しした記憶のある声音での……。


 そう、俺の元カノだったJK少女、新宮寺沙紀の声音での朝の挨拶が久し振りに……。


 そう、春の大型連休前には、俺の耳へと聞こえてこなかったアイツの朝の挨拶が久し振りに耳へと聞こえてきた。


 だから俺はチラリと声の主である新宮寺の方へと視線を変えてみると。


 アイツが新宮寺の奴がニコリと俺にぎこちなく微笑みながら手を振る姿が、目と瞳に映ったから。


 俺も新宮寺へと御近所様へと挨拶を返すように。


「新宮寺、おはよう」と。


 他人行儀な口調、声色で言葉を返せば、新宮寺から視線を変えて、それ以降は会話もしないで、自身の机と椅子へとまた向かって歩き始める。


「和也~、おはよう~」


 新宮寺の朝の挨拶に続くように、今度は大変に明るい声音での『おはよう』の挨拶が俺の耳へと聞こえてきたから。


 また声の主である少女へと俺は視線を変える。すると今度は大田蘭がとても嬉しそうに大きく、大袈裟に手を振る姿が、新宮寺の後ろに見えるから。


「蘭、おはよう」と。


 俺は新宮寺には他人行儀で朝の挨拶を交わしたが、大田蘭には名指しで『蘭』と呼んだ。


 すると蘭の奴は満身の笑みを浮かべながら。


「和也、後でL〇NE送るね」と告げてきた。


 だから俺も蘭に「うん、わかった」と頷き。


「蘭、L〇NEは、お前が暇な時でいいからな。慌てなくていいぞ」と。


 俺は蘭の事をまるで彼女のような扱い……。以前よりも大変に軽く、ノリのよい。馴れ馴れしい言い方……。




(お願い)


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