第256話 連休開ければ遠足だ! (2)
だから帰宅の最中に何度も俺も誤った。
『沙紀、俺が悪かった。すまない』とね。
でっ、その都度アイツも、自身の首を振り。
『和也、私は大丈夫。大丈夫だから』と告げてはくれた。
でも沙紀の奴は泣き止まないから。
バスにも乗れない。
だから沙紀の家まで、二人で肩を並べ歩きつつ帰宅の途につく。
でも、沙紀の奴が俺の真横で俯きながら歩行を続けるからね。
やっぱり他人から俺達二人は白い目で見られるけれど。
これは、これで、俺自身も。
まあ、いいか?
高校生らしくて。
何か青春しているって感じがさ。
俺自身も久し振りで。
そう、高一の春に沙紀とお付き合いをした俺だけれど。
いつも沙紀と、一定の距離を開けながら歩いていた。
それがさ、俺的にはとても新鮮でね。
青春! 純情! をしているって感じが。
俺はとても心地よかった気がする。
特に中坊の頃の俺は、ガキの癖に。
自身の横に並ぶ彼女といつもイチャラブしながら帰宅の途についていた。
それに、ここつい最近は、蘭や加奈が俺に直ぐに寄り添い甘えていたところにめがけて。
沙紀と絵美の復帰で。
まさに毎度○騒がせな状態の俺だから。
何だか久し振りに、しおらしく帰宅の途につけるから。
これは、これで、青春!
花の高校三年でいいかな? と。
俺は思いつつ歩き。
沙紀に家の付近までくると。
「和也?」と。
沙紀の奴がやはり暗く、重たい声音で、俺のことを呼ぶから。
「ん? どうした、沙紀?」
俺が首を傾げると。
「和也、今から家にきて、私の部屋にこない? そしてプロレスをしようよ。いいでしょ?」と。
急に俺の身体にドン! と。
アイツは体当たりをしてきた。
そして俺の身体に、そのまま寄り添い、甘えながら誘ってきた。
「あ、あのな、沙紀? 私の部屋って、お前家の母さんや父さんが下の部屋にいるかも知れないのに。俺プロレスなんてできないから」
俺は沙紀のお誘いに対して上擦った声で言葉を返すと。
「そう言うことは早く言え。平和公園の近くならばラブホテルがあるから入れたのに」、
「あっ、ははは」と。
俺が苦笑いを浮かべながら言葉を返せば。
「あっ、そうか。学校の近く、だもんね、平和公園は」
沙紀が遠くを見詰めるように呟いた。
「うん」
だから俺は頷き。
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