第215話 高校三年生になれば、元カノのモテ期は未だ続くようです? (9)

 翔子と幸のフリーコンビを牧田のツレ達。


 バスケ部の連中は、狼男となって狙いを定めることが可能だから。


 あいつらも嬉しくて仕方がないようだ。


 だって翔子や幸のように。


 自身の声のトーンを一つか二つ上げ、嬉しそうにさ。


「マジで?」


「やったぁっ! やったぁっ!」


「二人が行くなら俺も行く」


「なぁ、牧~、俺もマ○ク行くのを混ぜてもらっていいだろう?」と。


 翔子と幸狙いの、牧田のツレ達が。


 牧田の奴へと、自分達もグループ交際に参加しても良いかと訊ねれば。


『ああ、いいぞ。お前達も来いよ』と。


 牧田がニヤニヤといやらしく言葉を漏らす前に。


 あの、二人。


 翔子や幸の奴も。


 牧田の奴のツレ達が自分達二人に気があると気がついているから。


 あいつら二人は更に御機嫌良く。


「いいに、決まっているじゃ、ん」


「皆も一緒に行こうよ~。ねぇ、ねぇ」と。


 翔子と幸の二人は、牧田のツレ達へと。


 自身のトーンを上げつつ一緒にいこうと積極的に告げる辺り。


 牧田の奴は、マジで女子の扱いが上手いなぁ、と。


 俺は更に感心させられ。


 あいつ、牧田の奴が、女をとかえ、ひかえ、していると言った噂話は。


 まんざらうそではないな、と。


 俺は思ってしまったよ。


 だってさ、自身のツレの内の誰かを翔子と幸と仲良くさせ。


 グループ交際を演じつつ。


 自身の部屋へとあいつのツレや翔子と幸。


 そして沙紀を呼び。


 最初は仲良く六人で会話……。


 牧田は事前にツレ二人に。


 適当な時間になったら翔子と幸の二人を。


 自分家から連れ、何処か他所に遊びにいってくれと。


 打ち合わせをしとけばいいだけで。


 あいつら四人が部屋から出ていき、少し時間が経てば。


 そのまま、沙紀と向き合い。


 見詰め合い。


 キスを迫り。


 そのまま押し倒し合体と言った感じかな?


 俺も中坊の頃にはよくしていたから。


 何となく牧田がしようとしていることはわかるから。


 あいつらの様子……。


 そう、牧田や沙紀を含めたあいつらの様子を見ながら。


 クスクスといやらしく笑っていると。


「和也、どうしたの?」と。


 加奈が首を傾げ、訊ねてきたから。


「いいや、何でもないよ。何でも……」と。


 クスクス笑いながら言葉を返せば。


「何でもないことないでしょ、和也?」と。


 今度は蘭が荒々しく訊ねてきた。


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