第280話 俺って陶晴賢公? (10)

 だから俺は、(こいつ、鼻の骨が折れたかな?)と思えば。


 自身が両手で握る、通行止めのカラーコーンと、カラーコーンとを結ぶバー。


 あの、黒と黄色の強化プラッチの太いバーを俺は振り上げ──。


 二番目に、この俺さまへとつまらない言葉を告げた奴──。


 そう、自身の真横でツレがいきなり、絶叫を吐きつつ。


 自身の顔を両手で覆いながら伏せる様子を見て驚愕! 動揺をしているそいつの頭の頂点へと垂直に。


『面~!』と。


 バーを落としてやった。


 するとそいつも、前の奴と一緒で!


「あっ! いてぇっ!」と声を漏らしつつ。


 自身の頭の頂上を押さえる。


 でも前の奴ほど、いい感じで反応を示してくれないから。


 俺は再度バーを持ち上げ。


「何がいてぇ、だッ、こりゃあぁッ! なめちょぉんのかぁ、わりゃぁ、あああっ!」


 俺はそいつに噛みつくように吠えると。


 今度は再度で振り切り、顔へとバン! と。


 痛そうな奴を一発入れてやった。


 でも今回は、最初の奴の時のように腰を入れ、バーを振り切った訳ではないから。


 二番目のバカは、自身の鼻から血が流れたぐらいじゃないかな?


 だから俺は「チッ!」と舌打ち、悪態をつきながら面白くないと思いつつ。


 俺は今度は三人目の奴へとバーをズルズルと薄気味悪く引きずり、音を出しながら詰め寄る。


「わりゃぁ、お前ぇっ! さっき、儂に対して調子のえぇことを言ぅちょったよの?」


 俺は三人目の奴へと呻り、吠えると。


 今度はそいつの腕へとバーで一発入れ。


「のぅ~! わりゃぁ、あああっ! クソガキが! あんまり調子にのんなぁよぉ~。こらぁ~」と呻り、吠えると。


 俺はまたそいつの腕──。


 今度は逆側へとバーを持ち上げ、斜めに落とし叩く。


「…………」


 でも三人目の奴は、下を向いて反省──。


 面白い反応を示さないから。


 俺はまた地面をバン! と、激しい音を出しつつ叩くと。


 そいつは、だけじゃない。


 牧田や最初の二人も併せ、四人バカ達がビクリ! と、自身の肩を跳ねらせながら。


 驚きを隠せない表情示すから。


 バカだな、こいつら、本当に喧嘩馴れしてないわと思いつつも。


 俺は全くこいつらを許す気はないから。


 三人目の奴へと。


「お前、何、黙ちょんやぁ、こらぁ~。お前等が、儂に喧嘩を売ってきちゃんじゃろぅがぁっ!」と。


 俺は叫びつつ、三人目の奴の肩と腕にもう一発ずつ、バーで殴りを入れる。



 ◇◇◇



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