第136話 高校三年生になれば元カノ様もモテ期のようです(5)

 だから俺はその都度アイツへと。


「(お前な、いい加減にしろ!)」、


「(俺が由美の家の庭で、おじさんやおばさん達やあいつの兄弟達と一緒の和気藹々とバーベキューをして、美味しく肉を食べようが関係ないだろう」とか。


「(神宮寺、お前なぁ! 俺は由美の家の庭でバーベキューをしていると言っているだろうが……。誰がいつ俺が由美の家に上がり込み。あいつの部屋で二人っきりで話しをしてると言った?)」、


「(……それに神宮寺、お前な? 俺がいつお前と寄りを戻す。戻したと言った? それと神宮寺お前? 今日俺が平和公園の平和の塔の前でお前に憤怒しながら告げた事を。お前はもう忘れてしまったのか?」と。


「(沙紀、お前、また俺に怒鳴られたいのか? それに俺は誰にでも気軽にキスなどしないぞ!)」と。


 何処かの誰か?


 馬鹿とは違うからと嫌味、遠回しに告げた。


 でも直ぐに沙紀の奴から。


「(うそつき!)」泣きマークと。


「(和也! 私ちゃんと聞いているのだからうそをつかないでよね……)」と。


 沙紀の奴からシクシク泣きマークのスタンプと共に送られてきた。


 でも俺がアイツ、沙紀以外の少女と何をしようと。


 もう俺の彼女ではないアイツにとやかく言われる筋合いはない。


 だから俺はこの後アイツ、沙紀から送られてくるL〇NE。


「(早く帰宅をしてよ!)」、


「(和也は受験勉強をしないといけないんじゃないの?)」、


「(もう和也、お願いだから家に帰宅をしてよ~! おねがいだから~!)」のL〇NEをことごとく無視してやったよ。


 アイツ、沙紀の事がうざくて仕方がないからね。


 でもさ、俺がアイツから送られてくる数々のL〇NEを無視していると。


「こんばんわ」


「良い匂いがしますね」と少女の声。


 それも同じ声音……。


 二人の台詞が重なると。


 どちらが喋ってきたのか解らなくなる。


 俺自身も何処かで聞き覚えのある二つの少女の声音が聞こえると。


「あら、美和ちゃんと美智子ちゃん。二人共どうしたの?」とおばさん。


 そう、由美のお母さんが、俺の双子の妹を見て──。


 バーベキューコンロの上でお肉をジュジュと、美味しそうな音を立て──。


 肉汁を火が灯す炭へと落とす行為をやめ。


 彼女は手休めしながら。


 我が家の双子の妹達を凝視──首を傾げると。



(お願い)


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