第135話 高校三年生になれば元カノ様もモテ期のようです(4)

 凝りもしないと言うか?


 先程もアイツ、沙紀の奴の廊下での告白タイムの様子……。


 そう沙紀に告白をしていた男子がいくら。


 学園一の美少女である沙紀の奴とキスがしたい。


 自身の童貞を捧げたい。


 沙紀の奴に奪って欲しいと思っている下心が、アリアリとある奴だとしてもだ。


 俺なんかよりも大変に大人しく、真面目そう……。


 そう、俺のように小さな頃から悪ガキ、お山の大将だった奴とは違い。


 大変に育ちの良い奴……。


 アイツ、沙紀の両親が望んでいるような温和、和やかな家庭で大事にスクスクと育てられた少年……。


 そう、先程俺とガンの飛ばし合い、睨み合いをおこなった牧田達のようなチョイワルな感じではなく。


 大変に大人しい男子だから。


 あの大人しい男子や。


 春の連休明けから沙紀に告白をしてきた男子達辺りで手を打ち。


 お付き合いを始める方が。


 沙紀の奴は幸せになれると思う?


 基本家の第二高校は大変に真面目で大人しい文武両道学園だから男子達は大変に大人しい奴。


 家庭環境が大変によい奴ばかりだから。


 俺は沙紀に、そいつらで手を打ち幸せになれと告げたい衝動に駆られる。


 でもアイツ、沙紀の奴は五月五日の子供の日、鯉のぼり日に。


 沙紀はあれほど大衆の面前で泣いたにも関わらず夜には……。


 俺が由美の家族とのバーベキューの最中も。


 沙紀がストーカー防止のためにしていた俺との着信拒否を安易に解き。


 アイツは事ある毎に俺へとL〇NEを打ち送信──。


「(和也、由美ちゃんの家からもう帰宅をした?)」とか。


「(えぇ~、未だお肉食べているの?)」と泣きマークを入れ送ってきたり。


「(由美ちゃんとどんな話をしているの?)」と。


 何度も汗! 汗! マークをつけながら送り訊ねてくる。


 でっ、最後には沙紀の奴、また泣きマークを入れながら。


 アイツはこんな台詞を送信してくる。


「(もしかして由美ちゃんと和也、二人きりで部屋で会話をしているようなことはしていないわよね?)」と。


「(和也や由美ちゃんとキス……。それ以上のこと……。私を裏切るようなことはしていないわよね?)」等。


 沙紀の奴は汗! 泣きマークを同時に入れてL〇NEで俺へと送信をしてきた。



(お願い)


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