第466話 やるしかないか……(8)

「……本当に皆ありがとう……」


 俺や志乃に釣られて今度は志乃あいつと犬猿の仲になる絵美の奴も何故か、皆に頭を下げ始める。


「……別に気にしなくて良いです。志乃さん、絵美ちゃん……」


 加奈の奴が頭を下げる三人……。


 まあ、俺の事は無視……放置されたけれど。


 志乃と絵美に頭を下げないでと告げると。


「ほんと、ほんと」

「気にしないで」

「そんな事気にする必要性はないから」と。


 篠田や蘭、翔子……。幸や俺、牧田の親衛隊のメンバー達も気にするな、皆仲良しだと言ってくれると。


「本当にみんなありがとう」


 今度は沙紀の奴まで頭を下げるから。


「ありがとう、皆……」


 加奈も小声で皆へと志乃の件でお礼を告げたのだと思う?


 だから俺や志乃、絵美とガキの頃から腐れ縁の三人は驚愕した顔で『えっ!』と思えば。


「本当に皆ありがとう」

「ありがとうね、皆……」

「志乃さんも幸せだと思う……」


 沙紀と加奈の二人も志乃に対して皆が気を遣わず友人のように接してくれるからとお礼を告げたものだから遅れるものかと。


 蘭とサチと翔子の三人も皆へと頭を下げお礼……。


 と、なれば?


 篠田やあいつ率いる親衛隊達も負けるものかと。


「皆~、有難う~」


 親衛隊長の篠田が本通り商店街を行き交う人達の足が止まるくらい大きな声~、甲高い声音で皆へとお礼を告げれば。


「「「「「ありがとうございます~」」」」」




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