第377話 柵の向こう側から! (12)

「牧田~、山田は知らないと言っているぞ~!」と。


 大谷が牧田へと問えば。


「俺が山田の照れ、恥ずかしがる様子は、嘘偽り無く、本当の事だと思う?」


 中田が牧田に問うから。


 俺は(当たり前だ! いい加減にしろ!)と思い。


(俺と彼女達とのことをペラペラと自慢げに言って回るのはあいつ等しかいねぇよ)とも、俺が不機嫌極まりなく。


 自身の頬をプンプン膨らませながら思えば。


「牧田~?」


「何だ、大谷~?」


「新宮寺と山田の関係を言って回っているのは誰だ~?」


 本当にこいつらはしつこいな!


 牧田が俺と沙紀との関係を、オブラードを包むように説明をしているのだから。


 お前等も納得しろ!


 それでよいだろう!


 どのみち沙紀自身を、俺はもう手放す気もなし。


 あいつ自身も、二度と離れる気はないみたいなのと。


 沙紀自身が俺と別れるのが辛くなるぐらいは、アイツのことを〇教した!


 だから二度目はない!


 沙紀の奴は、俺の何の虜だから! と。


 俺が、まあ、こんなくだらないことを自身の脳内で思えば。


「俺は新宮寺本人から聞いたんだよ」と。


 牧田がじらすだけじらし、とうとう犯人を、この場にいる男子達へと告げた。




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