第104話 高校三年生になれば、こんな噂も立つよね? (2)
だからこの第二高校内、外でも、JKの少女達から黄色い声援を一斉に浴びているのは俺だけではないのだ。
だから蘭と加奈、由美の三人には恐れ多くて告げてはいないのだが。
人にはなるなとケラケラ笑った癖に、只今俺のストーカー染みてきた沙紀に対してはL〇NEが送られてくる度に。
「(新宮寺、お前?)」
「(えっ! 和也、なに? もしかして、私とまた寄りを戻してくれるの?)」
ニコニコ笑顔のスタンプと共に送ってくる沙紀の奴へと。
「(新宮寺、お前。俺じゃなくて、家の高校にもモテる奴らが確か、三人か四人ぐらいいただろう? 確かそいつら一年の頃に新宮寺、お前の事が好いと言っていた気がするから。新宮寺、お前はあいつらの内の誰かに告白をして付き合えばいいだろう……。あいつらは俺と違ってスポーツマンだからいいと思うぞ?)」と。
俺はL〇NEへと何度か書き込んで送ってやった事もあるのだ。
でも沙紀の奴は、「(和也、私、あの人達タイプでないから嫌……。それに野球部の秋田君以外は、私の元彼だった。女性にだらしないあのひとによく似たタイプだから絶対にいや」だと、俺に告げてきたから。
「(何が私の元彼だ! あのひとだ! 俺に送るL〇NEの中に、あの男の事を書いて送ってくるな頭にくるから。馬鹿~、馬鹿~)」と。
俺はいつも鼻息荒く送り返しているのと。
「(お前に捨てられた以降の俺も、お前の元彼やサッカー部の部長をやっているあの阿保や、バスケ部の部長だったヘラヘラしているあいつとも余り変わりはねぇよ。馬鹿~! 馬鹿~!)」と。
俺もいつまでも執念深いと言うか? まあ、ガキで阿保だからこんな文面を書いては送り返しているよ。
「(二度とL〇NEを送ってくるな! 新宮寺! わかったな!)」と荒々しい文面でね。
でもね、アイツ、新宮寺の奴は、それでも俺に対して、後ろめたい事をしているから以前のような勢いはなく。
「(ご、ごめんね、和也、ゆるして~。もう二度と書き込まないからL〇NEを送らせて、おねがいだから)」と、泣きマークを入れて謝罪と嘆願を送り返してはくるけれど。
俺ね、思うのだけれど?
沙紀の奴は只、元々彼だった俺がアイツに捨てられた後に急にモテ期になったから気になるだけ……。
そう、元々自分の所有物だった物が急に他人に盗られそうになったから慌てて元彼と別れ、俺の元へと戻りたいと言いだしているだけだと思う。
(お願い)
レヴュー・星・感想・ハート等を軽い気持ちで頂けると励みになりますのでよろしくお願いしますm(_ _"m)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます