第63話 高校三年生になればこんなフラワーフェスティバルもあるとは思う? (3)

「山田君、早く先へと行きましょう」と、山本が俺と由美の会話を遮断するかのように、二の腕に抱きつき引っ張るように足早に歩き始めだすから。


「おっ! おい、おい山本、俺の二の腕を強引に引っ張るな、転げるから」と、この人混み、人の流れの中で俺が転げると将棋倒しになってしまうと俺は表の顔では不満を漏らし。


 裏の顔では、(はぁ、よかった。これで完全に二人に対して俺の沙紀への未練がましい想いを完全に誤魔化せた)と思いながら俺は歩行を続け広島の春の祭典、フラワーフェスティバルを楽しみ始めるのだった。



 ◇◇◇



「あっ! 山本先輩きたないです! どさくさに紛れて和君の二の腕に抱きついて」と、由美が山本へと不満を漏らし。「私も山本先輩のように和君に抱きつくんだから」と更に、ブウブウと不満を漏らしながら俺の二の腕に抱きついてきたのだ。


 だから俺は何処かで見た。読んだラブコメの主人公さまのようなハーレム王状態へと陥ってしまうのと。


 俺の両腕には、麗しいJK少女達の柔らかい物、未だ熟れ切っていない二つの物が春の服の柔らかく、薄い生地からダイレクトに腕へと感触が伝わってくるから。俺は自身の胸、気持ちをドキドキワクワクと高ぶらせ、鼓動を早くするし。己の顔や身体が思春期の少年らしく顔が火照る。緩む。嬉しくなる。


 と、言うことは余りないか?


 まあ、只二人……。


 山本と由美の未成熟な二つの柔らかい物が、どちらが大きいのだろうか? と、俺は推測するぐらいでね。俺自身も由美に制服ではなく、春らしい薄着で抱きつかれるのなんて久し振りだから。


(由美の奴はいつのまにか小学生のガキではなく、高校生らしく成長をしたんだな)と。


 俺はラブコメの主人公さま達のような幼馴染とのデートイベントにこれはなるのか? と思われるを感心、堪能しつつ。クラスメイト、隣の席の美少女とのデートイベント、も豪勢に二つも欲張りに堪能しながらどちらの少女の、女性してのを推測、測ってみると。


 う~ん、どうやら勝者は年下、後輩になる新入生の由美のようで、また大変に可哀そう。哀れだと思うけれど。山本の奴がと大田に負けて、これで三連敗……。


 じゃないか?


 俺の元々カノの絵美を合わせれば四連敗だなと心の中で呟きニヤリと自身の口の端を吊り上げながらラブコメ主人公気分を堪能すれば。


「どうぞ、お好きなように」と、山本はフン! と、鼻息荒く由美へと言葉を返した。


 だから由美の奴も更に俺の二の腕を強く、柔らかく。


〈プニュ、プニュ〉と。


 俺の腕で二つの柔らかい物を舞い踊らせながら。


「ええ山本先輩、好きにさせてもらいます」と。


 由美も山本の台詞に対して売り言葉に買い言葉を始めだし、『フン!』と鼻息荒くする。言葉を返すから。


「二人とも喧嘩はよそうね。頼むから。仲良く三人で今日のフラワーフェスティバルを楽しもうなぁ。俺は二人とフラワーにくるのを本当に楽しみにしていたのだから」と。


 俺は少しばかり大袈裟に二人へと自身の歯を『キラリ!』と光り輝かせ微笑みかけながら。俺のここつい最近の必殺の武器になっている。多分なっていると思われる【イケメン歯キラリ!】攻撃を放つ。食らわすのだが。


 当の本人である二人は、


「山田君、何をしているの?」

「和君、そのわざとらしい笑み、気持ち悪い笑みは辞めてくれないかな? 由美、和君のその笑みを見ているとさぁ、無性に頭にもくるし。和君はキャラ的に似合わないよ。山本先輩もそう思いませんか?」

「うん、私も隅田さんの意見に賛成。確かに山田君はイケメンで格好良いとは思うけれど。ではなく、といった感じだと思う。ねぇ、隅田さんもそう思うでしょう?」

「うん、山本先輩の言う通りだよ。和君……。和君はは似合わないような気がする」と。


 俺の幼馴染さままでが頷きながら山本の意見に同意、賛成しながら酷いことを二人で呟いてきたから。


「あのな、お前達二人。俺のことを教室にまで訊ねてくる達は、『山田先輩~。キラリ! と笑みして、お願いします~』とか、『山田君~、やってよ~。お願いイケメンスマイル~』と、事ある毎に要求してくるぞ」と。


 俺が不満のある顔、自身の頬を膨らませながら呟けば。


「ちょっと、ちょっとあの人格好良くない?」

「えっ! どれ、どの人?」

「あの、女の子二人に腕を強く引っ張られながら歩いている人よ……」


「……ん? どれ? どれどれ……。あっ、本当だ、あんたの言う通りで本当にアイドルみたいで格好が良いね」と、俺達三人を指さしながらの黄色い声、台詞が聞こえる。聞こえだし騒めき始めると。


 この混雑、人混み、渋滞……。春の大型連休を彩る西日本を代表する祭典、お祭りの一つであるフラワーフェスティバルの始まりを祝う。花車を先頭にしたパレードのためにできた歩道、路側帯での混み、混雑──。俺達三人の周りから多々、俺の容姿、様子を窺い絶賛する騒めき、喧騒が多々起き始めるから。


「もう和君が変な笑み、気持ち悪い笑みを浮かべるから。みなが見ているじゃない」と、幼馴染の由美が怒りをあらわにしながら俺の腕を引き不満を漏らせば。


「山田君本当よ。隅田さんの言う通りだわ。あなたが変な言葉を言いながら女の子達の気を惹くような笑みを浮かべるから。皆に注目をされているじゃない」と、山本まで不機嫌極まり顔をしながら俺へと不満を漏らしながら。


「さぁ、早く、山田君行くわよ。今日は山田君は私達とのフラワーデートなのだから」と。


 山本は声を大にして叫ぶ。周りに聞こえるように俺へと告げれば更に俺の二の腕を引っ張りながら平和通り。平和のパレードの先頭を走るに負けぬ。劣らぬ速さで、会場の先端を向けて歩き始める。


 だから俺は連休前日に教室内で見た。聞いた。に前の晩に起きた出来事……。


 俺にとっては大変によくない。面白くない出来事をこれ以上考える事もなく忘れ、を心から楽しむことができたから。


 俺をこの春らしい祭典へと誘ってくれた二人には本当に感謝、感激しながら、高校生活最後のフラワーフェスティバルを、この陽気な陽の下、日中に楽しみ満喫、堪能することができたのだった。



 ◇◇◇


(お願い)


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