第64話 高校三年生になればこんな目撃もあるとは思う? (1)
「ふぅ、二人とも今日のフラワーフェスティバルは本当に楽しかったよ。俺のことをわざわざ誘ってありがとうなぁ」と。
俺は今日と言う日。五月三日の春晴れの雲一つない晴天の下でおこなわれた広島市の春のゴールデンウイークの最大のイベントであるフラワーフェスティバルへと誘ってくれた二人……と、言っても?
元々俺が山本と由美とフラワーフェスティバルに出かけることになった原因はと言うと?
新宮寺の奴が学園近くに、元彼の俺への当てつけのように彼氏のお迎え。車を道路の脇へと停車をさせて待たせ、自身が到着すれば白馬の王子さまにわざわざ、執事のように大袈裟に車の扉を開けてもらい乗り込む──。
その後は助手席からガキの癖に、大人の女性のような振る舞いで彼氏の肩にしな垂れかかり。
自分と彼氏との仲慎ましい様子をアイツ、新宮寺と離別、別れてから急にモテ期に入った俺に対して当てつけのように魅せて苦笑、嘲笑いをして立ち去った冒頭シーンの後に俺が、走り去るユーノスロードスターのテールランプを睨むように見詰め──。
『次に学園近くで見たら車の扉を蹴り入れて、ボコボコにしてやるからなぁ!』と、子供染みた唸り声を漏らし、咆哮を吐く、放てば。由美の奴が、大学入試がある大事な高校三年生時に冗談にならない事を言うなと。俺のことを想い諫めてくれたのに。この俺さまがついつい由美は幼馴染で妹みたいな存在だから。アイツに気を遣う必要がないと思い。
妹のような少女へと俺の本当の地が出た言葉、トーク。憤怒しながら俺が由美へと荒々しく反発、反抗をしてアイツの未だ幼い心を傷つけてしまい泣かしてしまった。
だから由美の要望を叶えてやると言った話しになり。
その要望に対して山本加わり。
「山田君は私との関係は、友達以上、恋人未満。本当に仲の良い友人だと言ってくれたわよね?」と、怪訝な表情で訊ねてくるから。
「うん」と、俺は頷いた。
「えぇ~、何、それ、和君? 山本先輩と友達以上恋人未満の関係って、それってどう言うこと、意味なの?」
由美が山本の話しを聞き、何故か顔色を変えながら俺へと訊ねてきたから。俺は自身の首を傾げ。
「由美、お前、なにをそんなに慌てているんだ? 俺とお前は幼馴染で、妹みたいなものだから。由美も俺とはガキの頃から友達以上恋人未満の関係だから。お前がいきなり俺に腕を組みじゃれてきても。俺は離れろとは言うが、本気で怒ったことなどないはずだぞ?」と、俺が逆に苦笑いを浮かべながら由美へと訊ねれば。
「あっ、そう言うことか。そう言う意味なんだ」と、由美は一人で『うんうん』と首肯しながら納得してくれた。
でっ、逆に山本は何故か驚いた顔をしながら。
「じゃ、私も山田と腕を組んでも良いの?」と、訊ねてきた。
だから俺は「うん」と頷いた。
まあ、そう言う経緯があるから今日のフラワーフェスティバのイベント、催し物を見て回り堪能する最中に、山本が妙に積極的な行動──。
由美はいつものことだから余り気にもしないが、同学年の山本が余りにも俺に積極的に腕を組んできた。掌を握り繋いできた。
そして「山田君、次へ行こう」、「次はどれが良い?」と、嬉しそうに話しかけてきた。問いかけてくるから俺自身も少々照れ臭い場面もあった。
それでも俺は今日の、高校生活最後のフラワーフェスティバルを満喫、堪能が出来たから。
そろそろお時間の方も夕暮れが近くなってきたから。
「二人ともどうする? 俺は少し寄りたい店があるから。そこにいってから帰宅をするつもりだけれど」と告げ、訊ねれば。
「どうしよう?」と、山本が言葉を漏らせば。
「和君は何処にいくの?」と、由美が首を傾げながら問いかけてくるから。
「いや、あっ、はははっ」と、俺が笑い誤魔化せば。
「あっ! 和君、変なお店、エッチなお店へといくつもりでしょう?」と、由美が俺に自身の目を大きく開けながら問いかけてくるから。
「えっ! そうなの、山田君? いかがわしい雑誌や玩具、オナペットを私達に内緒で購入する為にお店にいくの?」と、自身の頬を膨らませながら訊ねてくるから。
「おい、山本! なんでお前、オナペットなんて知っているんだ? 俺だって咄嗟にそんな卑猥な物思い浮かばないぞ」と、俺が苦笑を浮かべながら訊ねれば。
「以前、ネットで見たの。だから思春期の男の子、山田君もそう言った物に興味があるのかな? と、思ったの」と、山本は天然顔、気にもしていない顔で問いかけてくるから。
「あっ、はははっ」と、由美も苦笑い。
「和君はそんな物使わないよね?」と問いかけてくる。
「うん」と頷き、「俺は右手が、ゴッドハンドが友達だから」と笑い。威張りながら答えると。
「そうそう」と、俺の幼馴染さまも納得してくれた。
「へぇ~。そうなんだ。山田君って年頃、思春期の男の子なのに異性や卑猥な玩具に興味がないんだね?」
山本が俺と由美の様子を窺いながら腕を組み、顎に指を当てながら考える人に変化しつつ訊ねてくるから。
「いや、そんなことはないよ。俺もちゃんと異性には興味もあるし。色々としたいなと思うことも多々あるよ」と、俺は隠すことでもないと思ったから正直に答える。
「そうなんだ。山田君もちゃんと男の子なんだ」
「うん、そうだよ。俺だって男だから欲情だってするし。したいな、やりたいなと思うことは多々あるから。マジでね。まあ、その都度右手が友達だけれど」と笑い。
「ふぅ~ん、そうなんだ?」
「うん」
「じゃ、私の初めてを山田君にあげようか?」と、山本さまが最後に女神さまのお慈悲をくれた……ではなく、爆弾発言をしてくるから。
「い、いや。い、いいです。今は御遠慮……と、言うか? 遠慮しておきます」と。
俺が慌てふためきながら山本へとラブコメの主人公さま達みたいな拒否、断りを入れると。
(お願い)
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