第39話 高校三年生にもなれば、近所の幼馴染も(1)

(はぁ~、気だるいな)と。


(あの、お化けのお姉さんは俺のことを知っているようだけれど。一体誰だ?)と。


 昨晩もまた俺の許へと現れた。そして俺の首へと丁寧に噛みつき、吸血鬼女、カミーラのように生き血まで吸い。とうとう俺のことを殺そうと思い始め出した。俺のストーカーさま、地縛霊、悪霊さまのことを考えつつ。アストラムラインの最寄りの駅へと向かう道中の俺なのだが、これと言った解決法も思いつかないので、更に「はぁ~」と大きな嘆息を漏らせば。


「和君!」、


「和君~!」、


「もう、和君は! 私の声が聞こえないの?」と。


 俺の耳へと、何処からともなく『キャンキャン!』と言った甲高い声音の鳴き声が聞こえるから。


 俺は立ち止まり、後ろを振り向く。


「……ん? 由美どうした?」と。


 俺の近所の幼馴染……。


 そう、俺の元々カノだった絵美とも幼馴染になる由美の奴の姿があるから、あいつへと声をかけた。


「和君~。おひさ~。元気にしていた?」と。


 俺の幼馴染で隣の家の少女……。御近所さま、お隣さまと言うことで、お互い両親も仲の良い。俺とは幼少期には一緒にお風呂に入っていたこともある、裸の仲のの奴が春色……。


 そう、新一年生らしい『うっ、ふふふ』な微笑みを浮かべつつ、春爛漫らしい明るい声色で俺へと言葉をかけてきた。


 それもこいつは何処か、ラブコメアニメ、マンガ、ライトノベルの主人公とヒロインのワンシーンのようにね。


 だから俺は、「よっ! 由美、久し振り! 元気にしていたか?」と地元の先輩らしく、はつらつとした声音で、こいつに声を返して。


「……でッ、何のようだ由美? お兄ちゃんは学校へといかないといけない訳だから忙しいのだ。わかったか!」と。


 俺は妹のような幼馴染のことを、揶揄するように、更に言葉を返せば。


「もう、和君はいつも由美が言っているでしょう! 私は和君の妹じゃないのだからって言い方をしないでよね。(プン! プン!)」と。


 まあ、由美の奴は、子供の頃と変わらぬ様子……。


 そう、自身の頬を可愛く膨らませながら兄貴分の俺へと不満を漏らしてきた。


「ああ、ごめん。ごめん。ついつい癖でさ」、


「あっ、ははは」と、俺は笑って誤魔化しながら由美へと謝罪すれば。


「これってさ、俺の幼い頃からの癖だから、中々治らなく本当に済まない……。俺自身も悪気はないのだけれど。ついついとでるからすまない」と。


 俺は自身の幼馴染さまへと、頭の後頭部へと手を当てつつ、ペコペコと頭を何度もさげながら謝罪、平謝りをした。


「和君、別にいいよ。由美に、そこまで平謝りをしてくれなくても」


 由美の奴は、にへらと笑いつつ俺に、そこまで謝罪無くても良いと告げてくれて、終わればニコリだ! 由美の奴はね。俺に満身の笑みを浮かべ、そしてくれれば。


「それよりも和君! 見て! 見て! 由美のこの可憐な姿! 容姿を見てよ! 由美もさ、大人! JKの少女になったんだよ!」と。


 俺に嬉しそうに、くるりと周りながら、自身の制服姿……。麗しいJKの少女姿を見せびらかしてきた。


「ほらほら、どうよ。どうよ。和君? 由美の身体も中学生の時よりも胸だって大きくなり、大人の女性の姿へと変貌したから。和君が由美の事を見ても美味しそうに見えるでしょ?」と、自身の胸──!


 まあ、俺がチラリと見ても、子供の頃よりは大きく育ったかな? と。加奈よりかは大きいかな、程度の胸を張り、空威張りをしてくる。


 でも俺には、グラビアアイドル並みのオ〇パイを持つ、爆乳蘭もいるし。絵美の奴もガキの頃から発育いいから、由美よりもオ〇パイが大きい。だから幼馴染同士の絵美と由美は、オ〇パイが大きい、小さいで、よく口喧嘩をしていたなと。


 俺は遠い過去……。小学生の頃のことを思い出せば。


(そういえば、沙紀の奴も着痩せしているように見えるけれど。生オ〇パイは大きかったな)と、俺は脳裏で呟いた。


「えっ!」


 だから俺の口から驚嘆が漏れる。


(な、何で俺は、沙紀の生オ〇パイを知っているし。貪り、堪能した記憶があるのだ?)と。


 俺は自身の口を手で押さえつつ、顔色を変えてしまう。


「どうしたの、和君?」


 だから由美の奴が、俺の顔色が変わったことを家族の者達のように、瞬時に悟り、尋ねてきた。


「い、いいや。何でもない。何でもないよ。由美」、


「あっ、ははは」と。


 俺は由美の奴に、他の女達のこと……。こいつよりもオッパイが大きい小さい、を天秤にかけ、測っていたことを悟られないように笑い誤魔化す。


 でもこいつ、由美の奴は絵美と一緒で、俺との付き合いは本当に長いから。俺が何かを隠していることも瞬時に悟るから。


「ふぅ~ん」と言葉を漏らしつつ、俺のことを由美は、ジト目で見詰めながら言葉を漏らせば。


「和君、由美に何かを隠したでしょう?」。


「それも今慌てて……」、


「一体、何を隠したの?」


 由美の奴は俺の二の腕を掴み、甘えながら引き尋ねてきた。


「いいや、何も隠していないから」


 俺は由美に甘えられ、尋ねられても、ガキの頃から慣れているので、自身の鼻の下を伸ばすようなことはないから。


(こいつ、マジで面倒臭いな)と、自身の脳内で悪態を尽きつつ、由美へと言葉を返した。


「いいや、絶対何かを隠している。隠しているよ。和君は……」と。


 由美は俺に甘え声音ではなく、怪訝な表情で告げ、尋ねてきた。


「私、和君のお嫁さんだから何でもわかるもの」と、由美の奴は今度は、自身の頬をプゥ~! と膨らませながら、俺が首を傾げるような言葉を告げてきた。


 だから俺は、沙紀の生乳事件のことを思い出すのを辞め、由美へと「はぁ~、由美、お前! 何を言っているのだ?」と呻りつつ尋ねた。



 ◇◇◇



「由美、余り可笑しなことを言うな、皆が誤解するから」と。


 俺はアストラムラインの駅へと向かいつつ怪訝な表情で、由美へと不満を漏らした。


 こいつ! 由美の奴が俺のお嫁さんだからと。昨日俺の身が心配になり、家に駆けつけてきた。やはり俺の幼馴染になる絵美と同じ言葉を告げ。その後はやはり、絵美と同じように、俺の二の腕に、自身の華奢腕を絡め、ゴロニャ~! ゴロニャ~! と甘えてくる由美の奴へと荒々しく告げる。


「誤解も何も、和君は由美に責任をとってお嫁さんにしないといけないの~。わかった~?」


 俺が怪訝な表情で荒々しく由美に不満を漏らしても、こいつはこの通りで。俺に責任をとれ! そして嫁にしろ、ではなく。自分に悪戯をしたのだから責任をとれと言うのだが。


 俺はロリコン趣味ではないし。中坊の頃には、いつも彼女が側にいたから、小学生の由美に対して悪戯行為などしたことがない。記憶に全くないから。


「由美、お前な~、うそをつくなよ! うそを~! いい加減にしろ!」


 俺は先ほどよりも更に重たい口調、声音で、由美へと呻り、吠え、威嚇をした。


「嘘じゃないもの、嘘じゃ~。和君が只忘れているだけだよ。遠いい昔の話、物語だから、和君がもう既に忘れているだけだよ」と。


 まあ、こいつ、由美の家とはお隣さんだから、俺が『うぅ、ううう』と呻り、『ワンワン!』と吠えても、由美の奴は子供時代から慣れているので。俺のことを全く怖がらないどころか?


「あっ、ははは。和君は家のしろみたい。わっ、ははは」と。


 由美の奴は、自身の家で飼っているマルチーズのしろみたいにキャンキャンと、俺が吠えるのだと。自身の華奢な指で、俺のことをさしながら、自分のお腹も押さえつつ高笑いだよ。


 だから俺は、更に不機嫌極まり無い顔をしながら、「由美、お前いい加減にしろよ」と告げ。


「由美! もうお前のことなど知らん」と、俺はプイ! と告げれば。


「由美、あばよ」と告げ、自身のお腹を押さえつつ笑う、阿保を置いてけぼりにして、スタコラ、サッサ! と歩き始める。


「あっ! 和君~、酷い~! ちょっと待ってよ~!」


 俺があいつ、由美のことを無視して歩き始めると。由美の奴は高笑いを辞め、顔色を変えつつ、俺の名を呼び追いかけてくるけれど無視……。素知らぬ振りで歩き始めると。


「ちょっと待って~。和君~。待ってよ~」と、由美の奴は俺へと更に嘆願してくる。


 それでも俺は、うそつきは嫌いだから、いくら由美がお隣さんで、幼馴染でも許さない。


 と、言うことだから俺は、由美のことを無視してズンズン! と歩くのだ。


「いいもん、和君……。皆にばらしやる。和君と由美の甘い経験を」と、由美の奴は俺の背、後ろで、ブゥブゥと子豚のように不満を漏らしてくるから。


「どうぞ、お好きなように」と、俺は立ち止まり、後ろを振り返りながら告げる。


 でッ、告げ終われば俺は、ふとあることに気がついてしまう、と言うか? 今まで昨晩のお化けの件や絵美の件で、自身の頭の中……。思考がゴチャゴチャになり、崩れ、物考えばかりしていた俺だから、全く気がつかなかったことが。


 俺はアストラムラインの駅の近くで気がつき、声を大にして叫ぶ。


「由美~、何だぁ~? その制服はぁ~!?」と。


「お前の着ている制服はぁ~、家の学園の女子達の余り可愛くない仕様の~、自身の身体の線が寸胴に見える制服ではないかぁ~?」


 俺が驚愕しつつ、絶叫を上げ、叫ぶと。


「そうだよ、和君……。今気がついた?」


 由美の奴がニコリと満身の笑みを浮かべつつ声を返してきた。


「ゆ、由美~、お前ってぇ~。そんなに頭が良かったのかぁ~?」


 俺の顔を見ながら微笑み、言葉を返してきたあいつに動揺しながら尋ね。


「で、でも、普通科の一年生の中に由美、お前の姿はなかったはずだが?」


 俺は動揺をしつつも、由美に何とか尋ねた。


「私、理数科だもん、和君~」、ニコリとこいつ! 由美の奴は、先程よりも更に満身の笑み……。


 そう、天子さまのような微笑みを浮かべ俺にくれると。直ぐに自身の口の端を吊り上げニヤリ! と妖艶に微笑み。


「私、学校で和君と一緒にお風呂に入った時の事とか、一緒にベッドで寝た時の事……。そしてお医者さんごっこをした時の事を皆に言いふらして歩くから。和君の元カノの新宮寺先輩や和君と学校でキスしたらしい篠田先輩や山本先輩、大田先輩だってけぇ~?」と、ヘラヘラと笑いつつ、由美は俺へと告げれば。



(ここまで)


「由美~、和君に~。お嫁にいけない身体にされているの~。だから先輩達、私の和君に近寄らないでぇ~と、言ってあげるから」、


「ふっ、ふふふ」と笑うから。


「お、おい! 由美! ちょっと待て! 待つのだ!」と。


 俺のことを揶揄するかのように、妖艶に笑い駅へと移動を始め出した由美へと。俺は少しばかり待ってくれ! 少しお兄さんとお話をしましょう! と。


 そうすれば僕と君とは仲良し、こよしになれるからと、遠回しに告げ。俺は汗! 汗! 冷や汗! となりながら。


 由美の後を「由美~、待ってくれ~」と、気弱な声音で呼び、追いかけつつ。


 俺は由美の奴と幼い頃に、何かしら事件や事故等起きたかな? と真剣に考える。


 でも「う~ん」と俺が考える人へと変化しながら呻っても。俺自身はこれと言って思い当たる節がないから。


「由美~、俺は~、お前と幼い頃にイチャ、ラブした記憶がないのだが~?」


 俺が先に歩く、由美の背を追いかけながら告げ、尋ねれば。


「したよ! した! 一杯したよ! 和君は小さい頃からエッチ! スケッチだから一杯した! あんな事や~、こんなことだって~、和君は一杯したもん! いぃだ~!」と、由美の奴はところかまわず、この俺さまのことを変態扱いをしたよ。


 だから俺達二人の近くをす通りする人達が「クスクス」と下を向いたり。自身の口を押さえながら笑うから。俺は本当に恥ずかしい。もうそれこそ? 穴があれば入りたい衝動に駆られながら。


「由美……。俺がお前に対して一体何をしたのだ……」と。


 俺は力無い声音で尋ねた。


「あなた達二人は一体何を言い争いをしている訳?」


 俺のことを公衆の面前で、変態扱いする由美へと。自身の肩を落としながら俺は尋ね、終えれば。何処かで聞き覚えのある声が聞こえてきたから。


 俺は声がした方へと視線を変えると、昨日我が家へと尋ねきた美少女さまの姿目と瞳に映るから。


『絵美……』と呟こうとすれば。


「あっ! 絵美先輩……」と由美の奴が驚愕しながら絵美の名を呟けば。


「だって~、絵美先輩~。和君~。幼い頃に由美へとお医者さんごっこやいたずらしたのに『知らない』、『していない』と言ってくるんだもん~」と。


 由美の奴は、俺と同じ幼馴染になる絵美へとくだらないことを言うから。俺は直ぐに絵美から、バン! ドンだ!


 自身のお腹を絵美にグゥ! 握り拳で、捩じり込むように打つべし! ではないけれど。


 俺は昨日と同じで、絵美の奴に腹部をワン! パン! と入れられて! その後は、あいつ! 絵美の教科書が一杯詰まった。学園指定のカバンを凶器に殴られたから。


「いて、いて、ててて……」と悲痛な声を漏らし。


「何するのだ~、絵美~?」と呻り、ワン! と吠えれば。


「和也~、あんたねぇ~。私に悪戯するだけでは飽き足らず由美にもしていたの~?」


 絵美の奴が今度は俺に吠えに、吠えまくってくるから。


「俺自身も小さい頃だから覚えていなし」と告げ。


「俺が瞼を閉じて、過去を思い出そうとしても。由美と一緒に風呂に入り。ペタンとした胸を見たとしても思い出せないから。よくわからない」と。


 肛門期の幼い俺が見た! した! ことは記憶にないのだ! と、俺は絵美に逆切れモードで不満を吐けば。


「ああ、酷い! 和君は!」と、また由美の奴が、自身の頬を膨らまし、不満を漏らしてくるけれど。


 俺があいつ、由美の奴と一緒に風呂に入ったとか? 一緒に寝た! お医者さんごっこをしたのって、何歳の時だろう? と。


 俺は「う~ん」と呻りつつ、考える人へと変化すれば。


(ここまで)



「由美~、和也にどんな事をされたの? 私にだけ教えて~」と。


 絵美の奴は由美に対して近所、幼馴染のお姉ちゃんらしく振る舞いながら、ガキの頃の、俺の様子を教えてくれと嘆願するから。由美の奴もガキの頃から染みついた癖……


 そう、近所のお姉ちゃんに、『内緒にしておくから、うちにだけ教えてお願い』の言葉に対して素直に反応を示し。


 由美は絵美の耳元へと自身の唇を近づけ、「ハブシュ、ハブシュ……」


 だから絵美も由美の説明を聞き、「うんうん」と頷くから。


「ボソボソ」と由美が更に絵美へと告げれば。『キィー!』だよ。あいつ、絵美の奴ね。自身の頭の頂上に、鬼の角を生やすから。


(こいつら二人、どんな話をしているのだ?)と首を傾げる俺の許へと直ぐに『おいでませ』となり。近づくと。


「和也のクソバカ! 変態!」と、俺に罵声を吐けば。


 ドン! ガン! と、俺に回し蹴りとカバン打撃で攻撃すれば。


「和也何てしらない~」と、絵美は俺へとお約束台詞を告げれば。アストラムラインの駅へと足早で向かうから。


 俺も映画やドラマ、アニメ、マンガ、ライトノベルのテンプレ台詞通りに。


「絵美~、ちょっと待てよ~」と。


「絵美~、由美から何を聞いたのだ~。言ってみろよ~」と声を大にして叫びながら。プンプンと不貞腐れている絵美の後を追うから。


「和君~。絵美さん~。ちょっと待ってよ~」と、俺のもう一人の幼馴染も置いていくなと叫ぶから。


「由美も早く来い~。学校に遅れるぞ~」と。


 俺は絵美の先輩らしく手招きしながら叫び呼んだ。



 ◇◇◇









 

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