第185話 高校三年生になれば、モテ期の元カノが更にモテ期に? (10)
「俺、新宮寺と手を繋いだことは本当にないし」と。
独り言のように呟いた山下へと俺は、相変わらず不貞腐れた顔で言葉を返せば。
「えっ! でも今大田が、実は和也は、新宮時と色々としていた。深い関係だったと、遠回しに言ってこなかったか?」と。
山下は首を傾げるから。
「いやぁ、俺が新宮寺に色々としたと言ってもさ、二年も前のことだぞ。それを今鮮明に脳内画像に映し出せと言われて。山下、お前覚えているか?」
俺が怪訝な表情で山下へと問えば。
「う~ん、どうだろう?」と。
山下は、自身の腕を組み、目を瞑り、考える人に……。
そう山下自身は、一体何を思い出し、妄想しているのかは、俺自身にもわからないけれど。
「うぅ~ん、うぅ~ん」と。
山下が唸りながら思案をしていると。
「山下お前、何を思い出し、妄想をしているんだよ?」と。
直人の奴が苦笑いを浮かべつつ、山下へと問えば。
「グラビアアイドル」と。
山下はニヤリとスケベ顔で直人へと言葉を返す。
だから俺は、思春期の山下が、何を思い出し、妄想しているかは悟ることができたので。
「どうだ、山下? 二年前のグラビアアイドルの水着シーンやAV女優のヌード画像を。山下、お前、今思い出せたか?」と。
俺もニヤリと、自身の顔を緩ませながら山下へと訊ねると。
「いやぁ、つい最近パソコンで見た画像ならば、俺も思い出すけれど。流石に二年前の事となれば。ぼんやりとでも、和也の言う通りで中々思い出せんなぁ」と。
山下はケラケラ笑いながら俺へと言葉を返してきた。
だから俺もケラケラ笑いつつ。
「だろう?」と言葉を返すと。
「あぁ~、酷い。男子って皆、そんな感じなんだぁ」と。
蘭が俺と山下の会話を聞き、ぶぅぶぅと不満を申してくる。
「いやぁ、大田流石にさ、つい最近のことならば俺達も覚えているとは思うけれど。二年前のこととなると。自身の頭に色々な画像は出てくるけれど。それが誰の物かはわからんよ」と。
山下がにへらと笑いつつ、蘭へとに告げる。
「じゃ、大田?」
「ん? 何、山下?」
「お前は二年前の、和也の体育の、水泳の授業の競泳パンツ姿を思い出せと。今言われて思い出す事って可能なのか?」と。
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