第231話 高校三年生になれば、こんなにも怒ることがあるのかな? (3)

『うっ、ふ~ん、あっ、は~ん。和也~、抱っこ~』と。


 俺にしな垂れかかり、甘えてくる訳ではなく。


「これでぇえええっ! 和也ー! 文句はないでしょぉ~?」


 沙紀は俺に荒々しく告げてきたよ。


 それもさ、俺が牧田に嫌なら嫌と。


 自分の口で告げるようにと指示をしたように。


 牧田に言うだけではなく。


 家のクラスのみんなが、沙紀と牧田の動向を窺い注目する中で。


 沙紀の奴は阿保だから牧田へと告げた。


 それもクラスのみんなや蘭、加奈にも聞かれたくないことを告げやがった。


 だから沙紀は、俺の膝へと。


 自身の可愛いお尻をチョンと乗せ、俺に罵声を吐けば。


 その後は恋愛物語のお約束……。


 今度こそ本当に。


「和也~、抱っこ~」と。


「抱っこ! 抱っこ! してよ! 今直ぐに! さぁ~!」と急かしながら。


 俺に抱きつき彼女面をするから。


「おい、ちょっと離れろ、沙紀……。ここは学校だぞ。いい加減にしろ」


 俺は沙紀へと不満を漏らせば。


「沙紀、その辺にある椅子を借りて。それに座れ、わかった?」


 俺は沙紀へと荒々しく諫めるように告げる。


「いや~! いや、いや」


 でも沙紀の奴はこの通りだ。


 小さな駄々っ子のように。


 自身の首を振りながら俺に指示に対して拒否。


 そしてこんな台詞を。


 自身の頬を可愛く膨らませながら。


「昨日、私。蘭が和也の膝に座って甘えているのを見ているもん。だから私にも蘭のように甘えさせて。そしてしてよ」と。


 沙紀は荒らしく、俺の不満を漏らすから。


「えっ、俺、昨日。蘭に何かした?」


 俺は自身の後方に立つ。


 それもさり気なく、俺の首に両手を回す、蘭の奴へと。


 後ろを振り返るように訊ねる。


「うん、したよ、と言うか? 山本さん、和也って。さり気なくいつも何処かを触っているよね?」


 蘭が俺の横に立つ、加奈へと訊ねる。


「うん、いつも。さり気なくスカートの中に手を入れて触ってくる。和也はエッチだから」と。


 加奈は恥ずかしがることもしないで、顔色一つ変えずに。


 コクリ、コクリと頷きつつ、加奈へと言葉を返すから。


「ほら、みてみなさいよ。和也~。和也はエッチだってみんなが言っているじゃない。だからほら、私のも触ってぇ~」


 沙紀が……だけじゃない。


 蘭も加奈も、俺に可笑しなことを。


 他所さまが多々いる前……。


 まだ牧田の奴も呆然としながらいるのにさ。


 いい加減なことを俺に告げるから。


 俺は沙紀や蘭、加奈へと。


「お前らなぁ~」と呻れば。


「何を~。調子の良い事を言って、呻っているの、和也~。沙紀の件は一体、どう言う事?」と。


 蘭が憤怒しながら俺に罵声を吐きつつ、問うから。


「あ、あのな、蘭?」と。


 俺が自身の顔色を変えつつ、蘭へと言葉を返せば。


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