第230話 高校三年生になれば、こんなにも怒ることがあるのかな? (2)
ドーン! と沙紀が勢い良く立ち上がり。
「そんなことを言われても私は困るから!」
沙紀の奴は憤怒しつつ、牧田を睨みつけながら罵声を吐いた。
それも、これだけの人数、クラスメイトがいる中で。
ハブシュ、ハブシュと、小声で牧田に告げる訳ではなく。
アイツは牧田に対して声を大にしてだぁ。
だから沙紀の奴の前後に座っている翔子と幸。
今の今まで、沙紀の奴に。
『昨日はごめんよ、沙紀』
『まさか、沙紀が、あそこまで、牧田のことを嫌っているとは思わなったよ』
『本当にすまん、沙紀』
『めんご! めんご! だよ。沙紀!』と。
自身の顔の前で、両手を合わせ。
平に、平にと謝罪をしていた翔子と幸の二人も。
開いた口が塞がらないといった表情で。
沙紀のことを唖然と見詰めるくらい。
沙紀の奴は大変に大きな声で牧田に。
これ以上言い寄られると困ると告げる。
でも沙紀の牧田への怒り。
まあ、昨日カラオケボックスで、何があったのかは。
俺自身も、沙紀とプロレスはしたけれど。
そこまで詳しくは聞いてはいないから、よくは知らないけれど。
沙紀の奴の牧田への怒りは、未だ収まりつかないようだから。
「私、牧田へと言ったはよねぇ。和也のことが好きだから誰ともつきあう気はないのと。前の彼氏とだって。要するに、和也に対して、私自身がまだ未練があるから別れたって説明をしたはずだよ。それに昨日のあれは何? 私のことをみんながビッチだと。陰で好き放題言っているみたいだけれど。私前の彼氏ともそんな関係じゃないから。またそれが原因で、家の両親にばれて顔を殴られた訳だから。その辺は勘違いをしないでよね」と。
沙紀は牧田に対してフン! フン! 鼻息荒く不満を告げる。
「それに私の初めては和也だし。私は和也以外の男性はしらないから。ビッチなんかじゃないから。その辺も誤解しないでね」
沙紀の奴は、俺が誰にも知られたくないことを。
牧田に声を大にして、クラスのみなにばらすように告げると。
アイツは踵を返して、俺の方へと顔と。身体の向きを変えると。
ゴ○ラみたいにノシノシとこちらへと向かってくると。
ポン!だ。
ポン! とね。
おしとやかに俺の膝へと座り。
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