第316話 元カノ、カノ、カノ……。カノ様がつまらないこと(1)

「志乃~! お前、つまらないことを言うなよなぁ~!」と。


 俺が訳の解らないこと。


 大変に可笑しくて、つまらないことを。


 この場にいる者達へと、さらりと言ってのけた志乃へと不満を漏らせば。


「和也、うちが何時、あんたと別れると了承した? うちは、うんと頷き、了承をしていないよ。だから離婚は無効」と。


 以前沙紀の阿保が俺に告げてきたような可笑しなことを告げてくるから。


「志乃、お前なぁ~、俺にあれだけのことを一度ならず、何度もしておいて、俺の彼女だっていい加減にしろぉっ! 志乃調子にのるなぁっ!」と。


 俺は志乃が阿保なことをまた言い始めるからこの通りだ。


 天下の往来で、また懲りもしないで、志乃と言い争い。


「だからうちは、和也に、何度も謝っているじゃない。許してくださいと。もう二度としませんと。それにうちは〇〇っていたから、やった記憶もないし。あれから誰ともしていないから許してよ。和也……」


「はぁ~、志乃~! 誰ともしていないのは当たり前のことだろうがぁ~!」と。


 俺は志乃に言った後に。


(あっ! しまった! 志乃に変なことを言ってしまった)と思いながらも。


「志乃、うそをつくなよ。お前……。全く記憶がないのはうそだろう? いくら〇〇っていても多少が、記憶があるはずだ! だから志乃うそをつくなよ!」と。


 俺が志乃の声を大にして罵声を吐けば。


「山田、人が見ているから、やばいって……。それとお姉さんも、もう辞めましょう」と。


 牧田が俺と志乃との、また始まった口願を仲裁──。


「山田の彼女のお姉さん?」


 今度は牧田の奴が詰まらないことを言い始めるから。




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