第317話 元カノ、カノ、カノ……。カノ様がつまらないこと(2)
「おい、牧田。こいつは、俺の女じゃないぞ」と。
俺が怪訝な表情で牧田へと告げると。
「山田、まあ、まぁ。そう怒るなって」と調子よく。
俺へと告げると。
志乃の奴が今度は、御機嫌よく。
「ん? 何、少年?」
志乃が言葉を返せば。
「お姉さん、あのね? 山田には今付き合っている彼女がいるんだけれど。どうするの?」
牧田は首を傾げつつ、にへらと笑いながら志乃へと尋ねる。
「どれ? どの娘? 和也の今カノは?」
牧田の言葉を聞けば、志乃の奴は、自分のおかれている立場と言う奴を忘れ。
自身の周りをぐるりと見渡しながら。
アイツへと志乃は、視線をしっかりと向け、見詰め。
「和也の彼女は貴女?」と。
志乃の奴は、自分へとできるだけ目を合わせないようにしている奴……。
そう、つい最近と言うか?
いつの間にか、俺の側にいると言うか?
俺とくすぐりやい、プロレス……。
そして牧田の件以降、俺と仲の良い沙紀の奴へと、指をさし尋ねるから。
「えっ! あっ、あの、私は……」
沙紀の奴は志乃に問われ、返事を返す訳でもなく俯く。
そんな沙紀のことを牧田はチラリと見詰め。
その後は俺の方を見てニヤリといやらしく笑うと。
「ブッ! ブブッ! お姉さん、外れ」と。
志乃に告げ。
志乃が『えっ! 嘘? マジで?』と言った顔をすれば。
「でも、当たり~! 当たりだよ~、お姉さん~!」と。
志乃のことを揶揄するようにケラケラと笑いながら告げるものだから。
志乃の奴は怪訝な表情で牧田へと。
「……ん? そこの少年、どう言うこと?」と尋ねる。
◇◇◇
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