第199話 高校三年生になれば、モテ期の元カノが更にモテ期に? (25)
「うん、分った」と。
加奈は何故か素直に頷く。
まあ、頷けれど。
直ぐに加奈の奴は自身の口を開いて。
「和也いつ私にも大田さんのような大変に魅惑的な下着をプレゼントしてくれるの?」と。
この状況!
この状態!
そう、蘭と加奈があいつの嫉妬心……。
一体何を考えているのかわからない沙紀の奴……。
今まで和気藹々と牧田や翔子、幸との会話に花を咲かせ、嬉しそうにしていたのだから。
そのまま、牧田達と楽しく会話をしていればいいに。
何故か憤怒!
嫉妬心をあらわにしながらドスドスと荒々しい音を立てつつ。
ことらへと向かってきた沙紀なのだが。
自身の荒らぶれている気が収まりそうにないからと。
沙紀の奴は、俺の背後から抱きつき──。
男の俺を羽交い締めにして、直人の席へと強引に押さえつけている状態なのに。
加奈の奴は俺と二人っきりの時に訊ねてくればいいことを。
何故か今?
そう、加奈の奴が、『お前、今沙紀がいるからワザと俺に訊ねてきているだろう?』と言うことを問うから。
沙紀が俺を羽交い締めする力が更に『グッ、グッ』と入る。
だから俺はこいつ、沙紀の奴ってこんなに力持ちだったかな? と思いつつ。
「加奈~。俺、今日余り小遣い持ってきてないから。後日だ。いいな?」と告げると。
「和也~。私はぁ~? 私にはいつ買ってくれるの~? プレゼントしてくれるの~?」と。
俺を背後から羽交い締めにしている沙紀の奴が更に、自身の両腕に、嫉妬心と言う魔力を注入しながら。
自分の下着の購入予定日はいつなのか? と訊ねてきた。
まあ、訊ねてくるのだが。
俺は別に沙紀に対して、下着を購入する理由も義理もないから。
「はぁ~、何でぇ~。俺がお前~。沙紀に対して、なけなしの小遣いをはたいて購入してやらないといかんのだ。沙紀、お前は可笑しいのかぁ~?」と。
俺は自分のことを羽交い締めする沙紀へと罵声を吐いてやった。
(はぁ、はん、ざまぁみろ。お前のような尻軽女に誰が貢ものか)と。
俺は自身の脳裏で思いつつ告げてやったよ。
(ざまぁみろ! ざまぁみろ!)と。
何度も思いつつと。
(うぁあああっ! 何て、俺って肝っ玉の小さい男なんだろう)と。
俺は自戒もしつつ思ったよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます