第259話 連休開ければ遠足だ! (5)
だから俺は自身の腕を組み、考える人へと変わり。
「う~ん、う~ん」と呻れば。
「西広島駅で集合したらいいんじゃない? あそこならばJ○の汽車や広○の電車もあるから」
加奈が相変わらずの無表情で、俺達へと提案をしてきた。
「西広島駅か……」
俺が加奈の提案を聴き、独り言のように呟く。
「山田~、西広島駅だと。何か都合が悪いの?」
「何かあるの?」
俺の呟きを耳にした翔子と幸の二人が首を傾げる。
「ああ~。西広島駅と言えば。絵美さんかぁ~」
蘭がにへらと笑いつつ呟くと。
「聖女学院は己斐だよね」
「そうそう、沙紀」
「まあ、偶にはいいんじゃない? いつも絵美さん。家まで電車を乗り換えして和也に逢いに来て、アトムで帰宅をしているのでしょう?」
沙紀と蘭の会話に加奈が割り込み。
お互い塾がない時は。
絵美の奴はJ○の新白島駅でアストラムラインへと乗り換えして。
俺の通う学園へときては校門で。
俺が出てくるのを待っている生活を続けている。
だから加奈が偶には、西広島駅まで二人で仲良くいけばと。
余裕な顔、態度で俺に告げれば。
「駄目ですよ。絵美さんと和君を一緒に西広島駅へと通わすのは。そんなことをしたら絵美さんが癖になって一君と毎日学校へと通うようになるから。由美の入る余地がなくなるじゃないですか。皆さん」
絵美の復帰前は、学園への登下校は俺を独占していた由美だけれど。
絵美が戻ってきてからは。
絵美が俺の利き腕の、二の腕を独占しているから面白くがないみたい。
俺達三人がガキの頃のように絵美と由美の二人は、事ある毎に口喧嘩をしているから。
俺は懐かしいな、この光景はと。
ほのぼのしつつ良く、二人のことを温かく見守っている。
でもそれが毎日のように続くから。
由美はみんなへと不満を漏らすのだが。
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