第258話 連休開ければ遠足だ! (4)
沙紀のアッカン、ベェ~、だの台詞を聴き。
俺はふぅ、と安堵する。
そう、牧田の件と、俺が切れて沙紀のことを拒否した件があるから。
俺は気になって仕方がなかったから。
「まあ、家に泊まりにくるのならばくればいい。そして美和か美子の部屋で寝ればいいさ」と。
「どうする、沙紀? 家のお袋に夕飯を頼んでやろうか? お前が泊まりにくるから?」
俺は沙紀へと微笑みながら告げた。
「……ん? 和也?」
「ん? どうした、沙紀?」
「私、美子ちゃんや美和ちゃんとは一緒に寝ないよ。和也と寝るから。御飯の方も私も一緒に食べてもいいのならば。一緒に食べる。やったぁ~!」
沙紀の奴は、俺家にお泊りして。
俺と一緒に寝られるから歓喜している。
でも、そんなことをされると、俺の理性、男の性が持たないから。
「沙紀、お前なぁ、俺と一緒に寝るって。そんなことをしたら俺の煩悩と男の性が持たないからダメだ! 美和か! 美智子のどちらかと寝ろ、いいな?」
俺は沙紀の要求を拒否する。
「だから先ほどから私が和也にプロレスして甘えたいと言っているから別にいいよ。それに和也もプロレスしたいと言ってくれたじゃない」
「まあ、そうだけれど」
「そうだじゃ、ないよ。和也! 和也が、塾があるから時間がとれないと言ってくるから、私和也の家に泊まりにいくんだよ。だから一緒に寝ないなんて可笑しいじゃ、ん?」
「う~ん、まあ、そう言えば。そうだが。俺両親に怒られるし」
俺が沙紀に別々の部屋で寝ようと告げれば。
あいつはプロレスができないから嫌だと不満を漏らすけれど。
俺が両親に叱られると説明をすれば。
「和也、お父さんとお母さん、怒るの?」
「えっ! 俺家?」
「うん。そう」と沙紀は頷くから。
俺は中学生の最初の頃は両親に叱られた。
殴られたけれど。
俺が全然聞く耳持たずの反抗期だったから。
最後は諦めて何も言わなくなったと。
沙紀に告げられないから。
笑って誤魔化しつつ。
沙紀にわかったからと告げ。
家のお袋さまへと、スマートフォンで沙紀の食時の件を嘆願したら。
沙紀の奴の御機嫌が直ると、言うか?
今、丁度俺の横の席で蘭や加奈、翔子や幸達と。
数日後に迫った課外授業──遠足の打ち合わせの話しをしている通りで。
牧田の件から、沙紀自身も元気になってくれたから。
俺自身もまた呟くが、ホッとしている。
「和也~、宮島まで、みんなで一緒にいこうよ?」
「うん、そうだな、沙紀?」
「あっ! でも、どうする? 皆住んで居る所がバラバラだけれど? 現地集合にする?」
俺が頷けば、蘭がこのメンバー。
沙紀と蘭以外は住んでいるところがバラバラだから、どうする?
現地集合にするか? と尋ねてきた。
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