第260話 連休開ければ遠足だ! (6)

「由美~?」


「何ですか、蘭先輩?」


「それでもあんた、新白島駅からは、和也を独占しているんでしょう。朝の通学は? うちや沙紀や山本さんは。そんな青春を経験したことがないのだけれど? うちらはどうしたら良い?」


 蘭の奴が由美の不満と言うか?


 我儘な願望を聴けば。


 自分達三人は。


 そんな青春を味わい、堪能をしたことがないと不満を漏らし始める。


 だから由美は、「えへっ」、「あはっ」、


「あっ、ははは」と笑い誤魔化し始め。


 その場は一件落着で幕を閉じるから。


 俺と絵美の二人は、アストラムラインを白島で由美と。


「「さようなら~」」


「また明日な~?」


「由美、明日ね~?」


 俺と絵美の二人は仲良く由美に手を振りつつ下車──。


 J○の新白島駅から西広島駅へと向かう中で。


「絵美、人が多いいから。俺の前に立っていろ」と告げ。


 俺は満員電車の中で絵美のために壁になり佇む。


「和也、ありがとう」


 絵美の奴は俺の腕の中が久し振りのためだろうか?


 自身の頬を桜色に染めつつ、照れ恥ずかしそうに。


 俺へとお礼を告げてきた。


 そんな可愛い絵美の制服姿を久し振りに見た俺だから。


 この新鮮さに、俺自身の胸が高鳴り!


 ドキドキ! と鼓動が早くなっていくのが。


 俺自身も悟ることができたから。


 これぞまさしく!


 花の高校三年生~!


 青春だなぁ~! と。


 俺はお花畑にいる気分で、フワフワとしつつ。


「うぅん」と首を振れば。


「おっ! 兄ちゃん、青春だね~」


「うん、うん」


「あっ、和也~。ずるい私も仲間に入れて」と。


 何処かで聞き覚えのある声音での。


 俺達二人を冷やかす声と頷く声。


 そして棒読みみたいな不満の声がするから。


 俺と絵美の二人は声がする方へと視線を変えると。


 そこには翔子と幸。


 そして加奈の三人がいるから。


 俺は取り敢えず。


「よっ!」と。


「みんな、おはよう」と挨拶をすれば。


「絵美さん、横に寄って。私も混ぜて」と呟きながら。


 加奈も俺の腕の中に入ってきた。


 だから俺、両手を大きく広げた状態へとなるから。


 何だか、この状態だと。


 俺は辛いなと思っていると。


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