第6話 今度は二人の初めての出逢いを見て欲しくなる事も突然やってくる! (1)

「あっ、あの、山田君?」


「……ん? 君何かな?」


「あっ、あの、ですね……」


「うん、どうしたのと、言うか? 君はC組の神宮寺さんだよね?」


 俺は自身の目の前に立つ元カノの沙紀……。


 と、言っても。


 これはね?


 俺と元カノ沙紀とが初めて二人だけで会話を交わした時の過去の思い出と言う奴でね。


 俺の目の前に立つ沙紀はね、自身の麗しい顔を真っ赤にしながら俯き加減……。


 そう、この俺さまとね。


 アイツは目を合わせないようにしながら。


 自身の細くてしなやかな指先でモジモジと可愛く。


 落ち着きなく。


 手悪さをしながらいじらしい振る舞いをした。


 そうまだアイツ自身が、中学校卒業したての幼さ、初心さも残す大変に可愛く麗しい。


 JKなりたての少女だったアイツが、俺への恥じらいある、可愛い言葉に対して。


 俺も自身の顔を真っ赤にさせながら、照れ恥ずかしそうに言葉を返した記憶がある。


 だって沙紀の容姿端麗な姿を思い出してもらえればわかる通りだ。


 アイツの外見、容姿だけならば。


 まず間違いなく。


 俺達の通う学園内でもベストスリーどころではないかな?


 沙紀の素晴らしい容姿は?


 俺の産まれ育ったこの県、市でも50番以内……。


 いや、20番以内には入るのではないか? と。


 俺が自身が本気で思った。


 だって入学式当日の沙紀の容姿……。


 アイツが体育館への移動の最中に、自身の身体に朝陽の神々しい光を浴びながら優雅に歩く沙紀の姿が。


 俺には本当に眩しくてね。


 天空から旭日の光と共に女神さま、天使さまが降臨されたのではないか? と。


 一年D組だった俺が錯覚してしまうぐらい。


 沙紀の煌びやかさ、麗しさは。


 我が校の女子生徒達の中でも群を抜いていた。


 だから俺自身も沙紀の素晴らしい容姿をチラリと目にした時には。


(あれ? 俺が今日から通うこの高校には凄く可愛い娘がいるんだな)と。


(あの娘、家の学園に入学するよりも、東京の堀〇学園にでも入学してアイドルか、女優にでもなった方がいいんじゃねぇ? 俺の地元の偉大な先輩、スーパー美女の綾〇は〇か先輩みたいに!?)と。


 俺が直ぐに脳裏で色々と思うぐらい。


 沙紀の奴の容姿は周りの娘……。


 いや、この学校内のJKの女子生徒の中でも群を抜いている。


 凌駕している美しいお顔と笑み、御姿だったからね。


 俺はアイツ、沙紀に対して入学式の時から大変に好印象だった。


 そう、俺の脳裏にアイツの美少女ぶりは、強烈なインパクトを与え──。


 俺の瞳を釘付けにして魅了、魅入りさせたJKの少女だった。


 だから俺は沙紀からの、最初の呼び出しの時には。


 もう既に沙紀のクラスは何組みかを、俺はリサーチ知っていた。


 でもアイツはそんなことなど知らないから自身の両目を大きく見開きながら。


「えぇ、うそ? 山田君、私のクラスを知っているんだ!」


 沙紀の奴は大袈裟すぎるぐらい声を大にしながら尋ねてきた。


 だから俺は「うん」と頷き。


「先程もお昼の休憩の時に、俺の横で君が友達と話していたじゃない。その時に新宮寺さんが、自分自身の口でC組になったから友達と離れ離れになったのが寂しいと嘆いていたじゃない」


 俺はね、こんな台詞を沙紀へと告げ。


 笑って誤魔化した記憶がある。


 まあ、その時の様子を俺の口から少しばかり嘆きと愚痴と一緒に、説明の方も聞いてい欲しい。



 ◇◇◇



「う~ん、さてさてどうするかな?」


 俺は独り言を漏らしながら辺りを見渡し。


 その後は途方に暮れる。


 だって只今の時刻は正午!


 正午と言えばお昼のランチ時間と、親しい友人との楽しく和気藹々としながら色々な話題で会話に花を咲かせ、盛り上がる大切な時間! 楽しいひと時なのだ!


 まあ、普通はなるよね?


 でも、あの時の俺は、未だ入学したばかりだからね。


 これと言った仲の良い友人達がいる訳でもない。


 まあ、これも新入学時には誰にでもよくあることだと思う。


 と言う奴でね、と説明をすれば。


 ……ん? 俺が何故地元、同じ中学校だった奴とは行動を共にしないのか? と。


 みんなは思うよね?


 多分?


 う~ん、実はね、俺の中学校から進学している男子生徒達はね。


 俺とは面識が無い。


 会話すらしたこともない者達ばかりでね。


 俺が本当に仲の良かった者達は、みんな他の高校へと進学……。


 そう、この学園、ハイスクールではなくてね。


 もう少し偏差値の低い高校と言うか?


 俺の友人の大半が。


 この世、世間ではヤンキー、不良と呼ばれている者達ばかりだから。


 偏差値の低い公立高校や私学──。


 親の手伝いをするのだと学問の方は中学生で終わらせた中卒の者達ばかりなのだと。


 俺さまがここまで説明をすればわかってもらえたと思う。


 そう、俺の通うこの学び舎──公立高校の男女の生徒達の容姿を見ればわかる通りだよ。


 この高校はね。


 元不良、ヤンキーと呼ばれていた俺が通ってもいいのかな? と、思うような場違いの高校──。


 広島県内、市内でも指折りのと呼ばれる国公立、有名私学の大学への進学を志にしている者達が集う広島市内でも有名な公立高校の上に。


 俺の地元である区内から離れた位置にある旧市内の高校だからね。


 尚更俺さまの、中学校時代の少しでも知り合い。


 仲の良い者がわざわざ通うような学校ではない。


 それに俺自身も、元ヤンキーだからと言って。


 真面目な奴等にも知り合いがいない訳ではない。


 実際は知り合いは沢山いるけれど。


 俺の地元の近くにも偏差値の高い公立高校があるからね。


 真面目で勉強のできる者──。


 学力、偏差値の高い者達は基本──。


 そちらの公立高校へと受験をして入学、通う者達がほとんどだから。


 そちらの高校へと俺も受験をして入学をすれば少は会話もできる奴もいたのだけれど。


 中学校二年生まで不良、ヤンキーと言うものをしていた俺だから。


 できれば同じ学校の生徒達が余り受験をしない旧市内の高校、ハイスクールで一から人生をリスタートしたい。


 新たな自分に生まれ変わりたいと思う気持ちも強くあり。


 俺は広島市の旧市内にある理数科も備えたこの歴史ある第二高校へと受験をして晴れて合格!


 入学をして心機一転をしたピカピカの高校一年生になったのだと。


 俺が説明をしたところで話しを元に戻すけれど。


 まあ、そんな感じの俺だからね。


 知り合いの者達が一人、二人でもいればよいのだが全くいない状態……。


 そう、俺の住み暮らしているところも広島市内の区ではあるのだが。


 一昔前! 昭和の時代では完全な学区外となる高校へと俺は入学を果たしてしまった訳だから。


 あの時の俺は、本来ならば楽しいはずのランチの時間ではあるはずなのに。


 未だ仲の良い友人が一人もいない。


 クラス内でも何となく浮いているような気がする俺は、世に謳われている【一人ぼっち】と呼ばれる部類に。


 入学したての頃の俺は恥ずかしながら入っていた。


 まあ、これも、この件、こう言うことも、小中高大ではと言っても。


 俺は未だ高校生だから大学と言う奴の入学当初はよくわからないけれど。


 こう言うこと、【入学、ぼっち】と呼ばれる奴は誰にでもよくある。


 一度は経験をしたことがあるのではないかな? と、俺は思う。


 でもさ、こんなだった俺にも、教室内で只一人、優しく話しをかけてくれるクラスメイトがいる。


 そう、俺の隣の席に座る人なのだが。


 休憩時間の度に俺に対して妙に話しかけてくれる。


 それもざっくばらんと言うか?


 馴れ馴れしいと言うか?


 昨日の夜のテレビのドラマがどうたらとか?


 俺が何処の学区、中学からきたのとか?


「山田君は彼女はいるの?」


「いや、どうだろう? 今は多分いないかな?」


 俺がその娘に苦笑を浮かべながら答えれば。


「山田君、何それ? 笑える。きゃ、はははっ!」


 と、その娘に笑われちゃった記憶がある。


 まあ、そんな俺の隣の席のJKの少女だけれど。


 俺に対して他にも。


「山田君はもう親しい娘、仲の良い娘できた?」と。


「それといるのかな?」


 首を可愛く傾げてきた。


「ん? 俺? 俺か……?」


 俺は、隣の彼女から問われ。


 最初は天井を仰ぎながら思案……。


 少し間が開けば。


「俺がこの第二高校で、できた仲の良い娘と言えば君しかいないと言うか? 俺は隣の席の君としか話したことしかないのだけれど」と。


 俺が隣の席の彼女へと、自身の頬を指先でモジモジとかきながら照れ恥ずかしそうに説明すればね。


「うそぉっ! マジでぇっ! 山田君って、入学してから女子は、うちとしか話しをしたことがないの? マジで、マジで、本当に~?」


 まあ、とにかく、俺の隣の席の彼女が驚愕した記憶がある。


 それも、と言った言葉を。


 あいつはうざく、何度も俺に連発しながら、声を大にして叫ぶような口調で問いかけてきた記憶があるよ。


 まあ、マジでウザイって感じでさ!


 だから俺は照れ恥ずかし気持ちから正直、あいつのことが鬱陶しいと思う気持ちへと変化する。


 でも今後一年間は同じクラスになる少女相手に。


 それも美人系な、麗しい少女相手に、男である俺が嫌な顔などできる訳などなく。


 俺はにへらと笑いながら、隣の美女系JK少女へと。


「うん、そうだよ。俺は純情な少年だから本当にごめんね」


 と言葉を返した。


「うぅん。別に良いよ、と言うか? うちもごめんね、山田君……」と。


 俺の隣の麗しい少女はね、最初は自身の首を振り。


 その後は彼女も、自身の顔色を変え、俺へと謝罪──。


 そして謝罪が終われば、俺に満身の笑みを浮かべながら。


「……山田君はうちが思っていたよりも純情で、気さくな人だから。うちも正直驚いたよ。ふっ、ふふふ」と。


 俺の隣の美少女さまは今度はね?


 大変に御機嫌麗しい様子で、俺の顔を見詰め、微笑みながら告げてきたと思う?


 だから俺は少しばかり、照れ恥ずかしくなり。


 自身の顔をポッ! と桜色に染めつつ。


「そ、そうなんだ?」と。


「あっ、ははは」と笑い誤魔化しつつ、言葉を返した記憶がある。


「うん。そうなだよ。山田君……。だって山田君ってだし。ちょっと見た感じがね、って感じに見えてカッコ良いから。もうこの学校の女子達と沢山仲良くなり話して、遊んでいるものばかりだと。うちは思っていたの、と言うか? 家のクラスの娘達は皆そう思っているよ、山田君の事を、ねぇ。皆~?」


 そんな俺に隣の麗しいJK少女が、言葉の最後に。


 自身の後方へと向きを変え──。


 誰ともなく声を掛けると。


「えっ! 何々?」


「どうしたの、大田さん?」


「山田君が、どうかしたの?」


「えっ! 山田君に何かあった?」


「……ん? 何々、どうしたの? 大田さん! 私等にも山田君の事で教えてよ!」と。


 俺のクラスの女子達数名が、隣の席の少女と。


 この俺さまを囲うように集ってきた記憶がある。


『キャピキャピ』


『ワクワク』


『ルンルン』


『ソワソワ』


『ザワザワ』と騒めきつつ集い。


 そして喧騒へと変わりつつ、俺と隣の席の麗しいJK 少女の周りへと集うから。


 俺は驚愕をした記憶がある。


 でっ、そんな俺……。


 自身の両目を大きく開け──。


 己の口をパクパクとお魚みたいに開けている俺のことなどクラスメイトの女子達は気にもしない様子でね。


 俺の隣の席の美女JKさまと会話を始め出す。


 そして少しばかり間が開けば。


 今度は俺へと視線を変え質問──!


「山田君って彼女いるの?」


「えっ! 俺?」


「うん、そう。山田君」


「いるの? いるの? 山田君は彼女が?」


「もしも、良ければ教えてよ」


「私達、山田君に興味があるから」と。


 俺と隣の席の美人JKさまの周りへと集ってきたクラスの女子達が。


 俺に可愛く首を傾げながら問いかけてきた。


「……ん? 今山田君は、彼女はいないみたいよ?」


 俺の隣の席の美女さまが、周りにいる女子達へと告げると。


「えっ! 嘘?」


「本当に?」


「マジで!?」


「良かったぁ~!」と。


 俺自身、何がよいのかわからない、と言うことはないから。


「うん」と頷き。


「あっ、ははは」と。


 俺は照れ臭さを誤魔化すように、笑って誤魔化せば。


「じゃ、山田君は、今はフリーだけれど。以前はいたの?」


 俺と隣の美女JKさまの周りに集う、女子達の一人が考える人になりながら。


 俺へと尋ねてきた。





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