第220話 元カノがこんなにも面倒な奴だとは思わなかった! (1)

 ギィ~! とドワを開け。


 ガッシャン! とドワを閉める俺。


 玄関内へと入ると。


「ただいま~」と。


 声を漏らしつつ、踵を返せば。


 その場に座り込み。


 スニーカーを脱ぎながら。


「マジで沙紀のうぜなぁ。二度と俺に話しかけてくるな」と。


 俺は独り語を呟きつつ、沙紀に対して悪態をつくのだよ。


 そう、数日前の出来事……。


 俺に対して沙紀の奴が悪態をついてきたと言うか?


 何か隠し事かな、沙紀の奴は?


 俺がアイツに言え! 説明をしろ! と告げたのに。


 沙紀の奴は俺に対して隠し事……。


 悪態までついてきたから。


 その後から俺は沙紀に対して無視だ!


 俺は沙紀の奴が、あれから話しかけてこようが。


 言い訳をしてこようが。


 牧田や翔子、幸。


 バスケ部の連中が。


 今日もマ○クへいこうと誘ってくるのだけれど。


 和也、どうしたらいい? と。


 訊ねてきても無視だよ。


 無視!


 俺のスマートフォンの電話やL○NEの方も着信拒否にしてやったよ。


 またガキみたいにさ。


 だから沙紀の奴は数日前に。


 俺の双子の妹達へと泣きついて。


 俺のスマートフォンの沙紀への着信拒否を解除して欲しいと嘆願をしてさ。


 俺が自宅へと帰るなり。


 妹二人から罵声だよ。


「沙紀さんから電話があったんだけれど。お兄ちゃんどう言うこと?」


「今回は沙紀さんは何も悪いことをしていないのに。お兄ちゃんが一方的に怒って着信拒否にしたらしいじゃない。一体どう言うことなの?」とね。


 だから俺は妹二人へと。


「お前ら二人には関係のないことだろう。これは俺と沙紀の問題だから一々でしゃばってくるな」と、荒々しく告げた。


 それでも俺の妹達二人は。


 ああだの、こうだの言いつつ。


 俺と沙紀の件に対して、でしゃばってくるから。


「ああ、わかった。わかったよ。後で沙紀への着信拒否は直しておくから」と。


 俺は妹達二人へとうそをつき。


 そのまま、素知らぬ振りを続け数日経っているけれど。


 沙紀の奴は相変わらず牧田や翔子、幸の強引なお誘いに対して。


 あいつは断り切れずに色々いっては。


 グループ交際を楽しみ、堪能しているみたいだから。



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