第221話 元カノがこんなにも面倒な奴だとは思わなかった! (2)
俺に構わずに牧田の奴と、とっとと付き合えばいいのに。
マジでアイツ、沙紀の奴はうざぃやつだなと思いつつ。
家の玄関先でスニーカーを脱げば。
俺はドス、ドスと激しく、荒らしい音を立てながら二階──。
階段を上りつつ、自身の部屋へと向かう。
「和也~、足音が大きいわよ~。学校で何があったのか知らないけれど。家の物に当たらない~。未だ家のローンは残っているのだから~」と。
俺のドスン! ドスン! と、荒々しく階段を昇る足音を聞き。
家のお袋さまが、荒々しくキッチンから叫んできた。
だから俺は反抗期と呼ばれる年頃の方は。
もう既に終了をしているから。
「母さん~、ごめん~。もう賢い僕はしませんからぁ~」と。揚げ足をとるように告げながら。
俺は自身の部屋へと入ると。
カバンから教科書、ノート、筆記用具を出すこともしないで。
ポイ!
ドン! と。
フローリングの上に放置をすれば。
そのまま自身ベッドの上にドーン! だ。
ドーン! と転がり。
俺は自身の部屋の天井を見詰めると。
「何をやっているのだよ。俺は……」と、独り言を漏らし、終えると。
「はぁ~」と大きな嘆息を漏らしつつ。
もしかして俺は、沙紀の件で、牧田の奴に対して嫉妬をしているのか? と思案を始めるのだが。
沙紀が牧田に対して好意がないことは傍から見てわかることだから。
それはないか?
まあ、ないな。
ない、ないなと。
ケラケラと一人笑いをしながら思うと。
じゃ俺は、何でこんなにイライラしているにおだと。
俺は自身へと問いかけ。
問答を始めだす。
俺のイライラの原因を探るため。
でも、原因を探ったところでどうする訳?
訳なのだ? と。
俺は思うから。
「やめ~たぁ~」と。
また独り語を呟き。
自身のベッドの上で大の字、しながら天井を見詰め。
「アイツ! 沙紀の奴も。牧田に断るのならば。ちゃんと断ればいいんだよ。私はあんたのことが大嫌いだとね……。優柔不断なこと……。両方に良い顔をしようとするから。こんな風にずるずると牧田に誘われては、デートへといくようになるのだろうが……」と。
俺は沙紀に対して不満を漏らし。
「このまま牧田とゴールインになっても、俺は知らないからなぁ」と悪態もつく。
俺自身が沙紀の奴に。
牧田の件は好きにしろと言った癖にこの通りだよ。
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