第457話 いいんじゃない? (2)
俺はここ二年間……。高校一年生、二年生の体育祭では真面目に徒競走も走っていなし。一年生の時は先輩達に頼まれ、生物部の選手リレーで走ったけれど。生物部はヲタクばかりのメンバーだから皆足が遅くて、俺の番がきたときには、他の部の奴等と大差が開いていたから。俺自身もやる気なしをちゃんで、テクテクと走った感じだから。
中学生の頃とは違い、真面目に運動──走っていない俺だから先ず幸を賭けた走りなんてカッコ良い事等無理~! 駄目~! できねぇ~! と思っていたから。
俺は本当に正直助かったと本気で思っていた。
まあ、思っていたのだけれど。
「ああ、それならば山田~。俺達のバスケ部のメンバーに混ざって走ったら良いって~、山田~!」と。
まあ、俺の後ろにいる牧田がね、どうしても高校生活最後の体育祭を盛り上げたくて仕方が無いみたいだから。この俺もバスケ部の一員として走ればいいとか言ってくれちゃったよ。
だから俺の口から出る言葉は。
「えぇ~、嘘だろ~、牧田~~~」と絶叫交じりの声を放ちつつ尋ねることになってしまった。
まあ、しまっても。
「うぅん、本当だぞ、山田……。これで体育祭は盛り上がるな」、ニコリと満身の笑みを浮かべ、自身の顔色を変えている俺へと告げてきた。
「……美佐ちゃん、これならば良いだろう?」の言葉も付け加えてだ。
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