第458話 いいんじゃない? (3)

「うん、まあ、これならば良いよ。マッキ~。体育祭は楽しみだね~」

「うん、そうだね、美佐ちゃん」

「当日はお弁当を作るね、マッキ~」

「うん、ありがとう、美佐ちゃん。俺、楽しみにしているから~。愛しているよ、美佐ちゃん~」

「私も、だよ。マッキー! 愛している~」


 チュ~! チュチュ……と、俺と幸に続き、牧田と体育の先生も全校生徒の注目する中でキスを! 接吻をおこなうから。


「うわぁ~!」

「きゃぁ~!」

「すげぇ~!」

「凄い~!」

「マジで大胆~!」

「先生がんばってね~」と。


 男女問わず全校生徒の絶叫と祝福が飛び交う。


「もう~、先生は~。私達の許可なくマッキーとキスしないでよね~!」

「先生の馬鹿~!」

「阿保~!」

「ろくでなし~~~!」と牧田の親衛隊達の絶叫、不満もこの後も多々吐かれ続き、この場が騒めいて喧騒と化すから。


 俺の『無理だ~~~!』、『駄目だ~~~!』、『走れねぇよ~~~!』の絶叫、不満は全部掻き消され。誰も俺の不満を聞き入れてはくれないのだった。



 ◇◇◇


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る