第459話 やるしかないか……(1)

「はぁ」、「はぁ~」、「はぁ~~~」と何度も溜息をつきつつ広島は新天地の公園横──ドン・〇ホーテの前をパ〇コ方面へと向けてドナドナと肩を落とし歩く俺なのだが……。


 そんな俺の背に『ドン!』と牧田が叩き。


「山田~、気にするなって。負けても別にいいじゃ、ん。どうせ山中のプロポーズに対して澤田の奴が『ごめんなさい』と頭を下げ告げて、はい! 終わり! ああ、皆楽しかったな~。良い想い出になった~。これで心おきなく高校生活を終わらす事が出来るで、お終いなんだから。そんなに暗い顔で悩まず、軽いノリの勝負で楽しもうぜ、山田~。なぁ、皆もそう思うだろう?」


 体育祭のクラブ対抗リレーの件でサチや牧田……。バスケ部の連中に恥をかかしたら本当に悪い。どうしよう? どうしたら良い? と本気で悩む俺に牧田が優しく微笑みながら、またいつもの調子で労いの言葉をくれ、皆へと尋ねると。


「うん」

「確かに」

「別に気にしなくても良いよ」

「うん」と。


 篠田と親衛隊のメンバー達……。その他のメンバー達も頷き納得をしてくれた。


「本当に和也って足が速いんだね、私初めて和也が本気で走るのを見たからちょっとびっくりした」と。


 沙紀の奴が本当に驚いた顔をしながら声を漏らせば。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る