第180話 高校三年生になれば、モテ期の元カノが更にモテ期に? (5)

「うん、そうだよ。牧田君~」と。


 翔子の奴は牧田から。


 イケメンは歯が命ではないが。


 真っ白な歯をキラリと輝かせる。


 誘惑光線──キラ! を受けている。


 まあ、浴びているから。


 自身の顔色を桜色に染めつつ、瞳を艶やかに濡らしながら牧田の奴へと。


 翔子は甘え声音で言葉を返せば。


「うん、うん」と幸の奴も、自身の顔を緩ませ、変顔になりつつも頷き。


「私達のグループと牧田君達って接点が無いから話しをするのは初めてだよ」と。


 幸の奴も翔子のように可愛い子、ぶりっ娘しながら。


 自身の瞳を艶やかに潤ませ言葉を返し。


「ねぇ、沙紀~。私達は、牧田君達バスケ部の人達と会話をしたことはないよね?」と。


 牧田のイケメン、誘惑光線──キラ! を受け、浴びている幸の奴は。


 自分自身でも気がついているのか?


 気がついていないのか?


 俺自身もよくはわからないけれど。


 幸の奴は、余程牧田の奴と話しをするのが嬉しいのか、と言うか?


 こいつ牧田に以前から好意を持っていたんじゃないのか? と。


 俺自身も思うぐらい。


 幸の奴は、少し離れた俺達の耳へと聞こえるぐらいトーンの高い声音で。


 今度は沙紀の奴へと話しを振り、同意を求め始める姿が、俺の瞳へと映る。


「……ん? 私?」


「そう、そう。沙紀だよ……。あんた、何ボ~ッとしてんの?」


 幸の奴は沙紀へと話しを振るのだが。


 アイツ、沙紀の奴はもしかして?


 俺に置いていかれたことを不満に思い。


 不貞腐れているのかな? と。


 俺が思うような様子で余所見をしていたから。


 幸の問いかけに対して沙紀は反応が遅れた。


 だから幸の奴が不満のある顔と声音で告げ、問えば。


「あっ、ごめん」と。


 沙紀は無表情で幸へと謝罪をすれば。


「私は牧田君とは何度か話しをしたことがあるよ」と。


 沙紀の奴は幸や翔子……。


 そして牧田の奴へと乾いた笑みを浮かべつつ。


 そう、俺が先ほど説明をした通りだよ。


 沙紀の奴は、何度も牧田の奴から『新宮時、俺と付き合ってくれ』と。


 愛の告白を受けているからね。


 幸や翔子の奴へと説明をすれば。。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る