第179話 高校三年生になれば、モテ期の元カノが更にモテ期に? (4)
「和也、ちょっと待って、私も行くから」と。
沙紀の奴が慌てて声を出す、ではなく。
加奈が自身の席を立つと、慌てて俺の背を追いかけてくる。
となれば?
「和也、うちもいくからちょっと待ってよ」と。
別に牧田と自分は会話をする気など、ないのだと言わんばかりな様子……。
自身の顔色を変えながら蘭の奴も自身の席を立ち──加奈の背を追いかけ始める。
だから沙紀と牧田の二人が仲良く。
お昼の大休憩の残り少ない時間を和気藹々と満喫する、とはいかないみたい。
そう、蘭と加奈の席は、二人が俺の背を追うことで。
空席にはなるのだが。
翔子と幸の二人は別に、俺に対して興味があるとか、好意があると言う訳でもなし。
俺は以前沙紀の彼氏だった訳だから。
高校一年生の時……。
あの、お昼のランチタイム……。
俺と沙紀の奴が初めて会話を交わした翌日から、普通に俺と翔子も幸も話しをして会話馴れをしている訳だから。
初めてゆっくりと話しをする、牧田との会話の方が興味津々みたいだから。
翔子と幸の二人は、空席になった蘭と加奈の席へと座り。
自身の腰を落ち着かせ。
「そう言えばうちらが牧田君と話しをするのって初めてじゃないかな?」と。
やはり女の子と言う物はイケメンに弱いようで。
翔子の奴が嬉しそう。
愛想良く振る舞いながら。
自身の目線の先にいる沙紀と幸──。
最後に牧田の奴を見詰めながら呟く姿が。
直人の席へと着き──。
直人や山下と会話を始めだした俺の瞳に映ると。
「うん、翔子の言う通りで私も牧田君と話しをするのは初めてかも?」
翔子の奴に続き、幸の奴もチョイワルなイケメン牧田の奴に対して好印象みたいで。
翔子と同じように、自身のテンションを上げ。
いつもと少し違う甲高い声音。
そう、牧田の奴に対して少しでも自身を好印象に魅せようと。
可愛らしい口調、声音で翔子の問いかけに対して。
幸は満身の笑みを浮かべながら言葉を返せば。
「そうだっけ?」
牧田の奴は、必殺──!
イケメンキラリ~と。
自身の歯を白く輝かせ、翔子と幸……。
困った顔をしている沙紀へと微笑みかける。
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