第424話 高校生らしい挑戦? (12)

「う、うん。ま、まあ、そうかもしれんけれど。俺も噛むから」、


「あっ、ははは」と、牧田も苦笑いを浮かべると。


「さ、澤田~! お、お前……。か、噛む、噛まれるって。ど、どう言う事だ?」と。


 山中が、他人が傍からあいつのことを凝視ても、動揺を隠せない表情、声色……。まあ、仕草で、何故か幸へと尋ねると。


「山中~、別にあんたには関係ない事じゃ、ん」と。


「私と和也の、この様子を見れば。私と和也が深い関係だって、誰が見ても察しがつくことだから。山中~、私に一々聞かないでよね~」とも。幸の奴は、山中へと悪態をつくから。


「さ、澤田、お前……。や、山田の奴に騙されているんだ。お前の身体目当てで。だから今直ぐに別れろ。澤田!」と山中は、幸を諫め、終えれば。


「そいつ! 山田の奴は! ろくでもない男だから。今直ぐに別れてしまえ!」と。


 山中の奴はまた、俺のことをろくでなし、だと告げてきた。


 でッ、それを聞けば俺も確かにと、思うところもあるのだが。それでも幸から見れば、俺は王子さまみたいだから。


「うぅん」と幸の奴は、俺の頬を齧る行為を辞め、自身の胸を張りつつ、山中へと首を振れば。


「和也は、私に責任をとってくれると言ったし。生涯養ってくれると言ったもん。だから必死になって勉強しているじゃ、んか、和也は」と、幸が山中へと告げ、説明をすれば。


「澤田、お前なぁ~」と、山中から呆れ声音で言葉が返るのだが。それでも幸の奴は。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る