第289話 久し振りにあいつに叩かれたから終焉(4)

 アイツは中学校の頃は、男子達と話しをすることはほとんどなかったと。


 俺は聴いていたので。


 やはりアイツはわからないと、笑い誤魔化しながら、蘭へと言葉を返せば。


「そうなん?」と言葉が帰るから。


「うん」と沙紀が頷けば。


 蘭は沙紀から絵美へと視線を変え。


「絵美ちゃん?」


「ん? 何、蘭ちゃん?」


「和也、中学校の時に悪かったって、由美が言っていたけれど。本当に悪かったんじゃねぇ」と。


 蘭が苦笑いを浮かべつつ、絵美へと尋ねる。


「うん、中学校二年生までは、手がつけれん、ぐらい、悪かったよ。上のヤンキーの人達といつも一緒にいては悪い事ばかりしちょぉったけぇ。ねぇ、和也?」


「えっ! あっ、うん……」


 絵美が話しを振り、同意を求めるから頷く俺なのだが。


 絵美と加奈が煩いから、さてこいつらどうしようかな? と思案を始めると。


「絵美ちゃんは、よぅ、和也をヤンキーから更生して、普通の少年にしたねぇ。うちは感心するけぇ……。翔子と幸もそう思ぅじゃろぅ?」


「えっ!」


「うん……」


「でもうちも幸も中学校の頃は、凄く真面目な娘じゃったけぇ。ヤンキーの事はようわからんよね、幸?」


「うん、翔子の言う通りで良くわからんよぉ」と。


 幸が言葉を返せば、加奈の方へと視線を変え、目が合えば。


「私もそう言う部類の人等はよぅ、解らん」と。


 加奈が言葉を漏らせば。


 俺へと視線を変え。


「和也?」と呼ぶから。


「何やぁ、加奈?」と言葉を返すと。


「もう和也は気が済んだけぇ。牧田君等を返してもえぇじゃろぅ?」


 加奈が俺へと尋ねるから。


「えぇ~、もう返すんかぁ、こいつら? こぅ、言ぅ、女を食いもんにちちょぉる奴等は、一度性根を入れんとわからんけぇ。徹底的にした方がいいけぇ」と。


 俺が加奈に苦笑を浮かべながら告げると。


 加奈が俺の顔をジィ! と見詰めてきた。







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