第196話 高校三年生になれば、モテ期の元カノが更にモテ期に? (22)
だから俺と加奈は、唖然はないか? ないよね。
加奈の奴は結構マイペース、自己中心的なところは。
沙紀の奴以上だからね。
それに向け、唯我独尊タイプのサイコパス少女で。
こいつ、加奈の奴は、本当に恐いJK少女……。
俺自身、二年間付き合った沙紀にでさえ叩かれたことはないのに。
俺は加奈からもう既に三発は頬を叩かれている仲だから。
加奈の奴は、沙紀と蘭が俺と加奈に憤怒しながら怒声を吐こうがお構いなしに。
俺の頬や首筋へとキスの雨嵐、弾丸ショットを入れ込んでくるだけじゃない。
クラスの皆……だけじゃない。
俺に席を少しばかりの時間譲ってくれと嘆願してきて。
沙紀の奴の真横に座るエロ男、じゃなくて。
バスケ部のイケメンキャプテンの牧田が唖然──。
自身の口を大きく開けながら見守る中で。
加奈の奴は興奮し過ぎて、他人の目があろうとも気にしないで。
俺の耳まで噛んできた。
きやがったから。
「か、加奈ー! か、噛むなぁっ! 俺の耳をー! い、痛い! 痛いからぁっ! 加奈やめてくれぇっ! 頼むよぉっ!」
俺はラブコメの主人公達のようにお約束の絶叫交じりで加奈へと嘆願する。
でも、加奈の奴の火照った身体は、収まりつかないようだから。
俺の耳を更にガブガブと噛んで。
「うぅ、うううっ」と唸り声を漏らし始めるから。
「山本さんがその気ならうちだってぇっ!」と。
蘭の奴も荒ぶれる声──咆哮を放てば。
『ぎゃぁあああっ!』と怪獣みたいに吠える、ではなく。
〈ガブリ!〉だ。
ガブガブと俺の耳を──!
そう、加奈がカミカミしながら甘えている耳とは逆の方につく。
俺の可愛い耳を蘭の奴も噛みつき。
『グル、ルルル』と唸りながら、カミカミして甘えてくるから。
「マジでかんべんしてくれぇ、と言うかぁ? マジで蘭もやめてくれぇっ! 俺の! 俺の耳が引き千切れるだろぅ~。うぎゃぁあああっ! 頼むからぁっ! 二人ともぉっ! 痛ぇえええっ! 痛ぇえええっ!」と。
俺が絶叫上げつつ。
痛さ? くすぐったい?
それとも変な気分?
まあ、どちらでもいいけれど。
俺が直人の机の上に上半身から倒れ込み、唸り声を上げると。
「和也、大変だな」と。
直人が苦笑いを浮かべながら呟くと。
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