第197話 高校三年生になれば、モテ期の元カノが更にモテ期に? (23)
「和也、いいな。俺もカミカミして甘えてくれる彼女が欲しいな」と。
山下の奴が切なそうに俺へと告げてきたよ。
だから俺は山下に。
「ば、馬鹿か、山下……。あの時のようにくすぐったい訳ではなく。マジで痛いんだぞ。山下ー!」と。
『うぎゃぁあああっ!』
『ぎゃぁ、あああっ!』と絶叫を吐きつつ。
直人の机の上で転がりながら山下へと。
そんなにいいものではないから勘弁してくれよと。
俺は告げつもりでいると。
「か、和也? あの時のくすぐったい感じって何なんだ?」と。
山下の奴がまた寂しそうに俺へと、ボソリと呟き訊ねてきた。
だから俺が山下へと。
『あのなぁ?』と告げようとしたら。
直人の奴が。
「あっ、ははは」と。
自身のお腹を押さえつつ大笑い。
高笑いを上げだした。
「山下、お前。本当に面白いやつだなぁ」と。
直人が珍しく大笑いをするものだから。
山下の奴は、そんな直人の様子を。
自身の顔を引き攣らせつつ。
あいつは作り笑いを浮かべながら。
「そ、そうか?」、
「あはっ、あは、あっ、はははっ」と笑い始めるから。
沙紀の横──。
俺の席へと座り。
自身のアプローチをしつつ。
第二学園の女王さま? の御機嫌窺いをしつつ、笑かせ。
和気藹々な雰囲気となり。
会話に花を咲かせていた牧田と沙紀、翔子に幸も。
こちら、俺達五人の様子をね、呆気、唖然……。
そして怪訝な表情で何処かの誰かさんが見詰めていた。
だから俺達の様子、振る舞い。
特に蘭と加奈の様子を呆気に取られて見ていた牧田が。
沙紀の怪訝な表情に気がついて。
「あいつら三人……。何しているんだろうなぁ? あっ、ははは」と。
自身の顔を引き攣らせながら笑い。
そして沙紀へと。
「新宮寺も、そう思うだろう?」
牧田が同意を求め。
「もしかして山田って? 今は山本か大田のどちらかと付き合っているの?」
沙紀や翔子、幸へと。
牧田の奴は相変わらず。
「あっ、ははは」と作り笑いを浮かべつつ。
三人の顔を見渡しながら問いかけも始めた。
「さぁ、どうなんだろうね?」と。
幸が首を傾げる。
「沙紀、あんたぁ~。山田があの二人と付き合っているのを知っている?」
翔子の奴がにへらと笑いつつ、沙紀へと訊ねると。
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