第366話 柵の向こう側から! (1)
「あれを見ろぉおおおっ!」、
「あの、御方を誰だと心得る~!」と。
牧田の奴が調子よく、高らかな声をだしつつ、何処かを指さし始めるから。
俺は、牧田は、一体何処を? 誰を? 指さしているのだろうか? と思いながら。
あいつが指さす方向を俺は遠目で凝視しようと思えば。
「あぁ、あああっ! 山田の聖女の彼女だぁあああっ!」
「彼女がいるぞぉおおおっ!」と。
俺の耳へとこんな台詞が聞こえると。
「どれ? どれ? どれだぁあああっ!? 山田のおんなわぁあああっ!?」
「何処? 何処? 山田先輩の彼女は?」
「あれだよ? あれ?」
「何処?」
「あそこにいる四人の子達の真ん中にいる綺麗な娘だよ!」
「そうなんだ?」
「うん……。俺何度か山田先輩の彼女が、校門で立っているのを見た事があるから間違えない」と。
まあ、その他にも色々な、俺へのまた中傷批判が、懲りもしないで始まれば。
「残りの聖女の三人は誰だよ?」と。
今度は絵美の周りにいる三人の聖女のJK少女達は誰だ? と。
みなが、ワッ! と騒めき、喧騒を始めると。
「あれが、牧田の彼女や山下、大島の彼女じゃないかな?」
男子達、童貞君達の間から騒めきと共に上がれば。
「結構可愛くないか?」
「いや、可愛いだろう?」
「聖女、結構可愛いお嬢様が多いい、って噂だからな」
「マジで?」
「ああ、マジマジ」と。
今度は俺への中傷批判──!
男の敵だ! 山田死ね! の言葉が収まれば。
今度は絵美や牧田、山下、大島の彼女を見て、こいつらは興奮気味に騒めき始めると。
「牧田~!」と声があがる。
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