第365話 いや、俺の勝利かな? (5)

 山下と大島の二人は、自身の顔色を更に変えつつ後退……。


「牧田の言っている事は本当だと思うぞ……。なぁ、大島?」


「ああ、結構パンフレットをコピーして渡したよな、山田……。皆に?」と。


 二人は、自身の顔色を変えつつ、最後に俺へと話しを振り、誤魔化し始めるから。


 俺は牧田、山下、大島から視線を変え、我が校の男子生徒──童貞君達へと視線を変え。


「お前等なぁ~」と、呆れ声音を漏らしつつ。


「俺や牧田、山下、大島の彼女達のツレが、家の学校の生徒に興味があるらしいから、体育祭のポスターが欲しいと言ってきたたから。俺や牧田が、自分達の小遣いを叩いて、コピーしまくったよ。だからお前等、牧田にお礼を言った方がよいぞ」と告げ。


「俺は他校の生徒とかが、家の学園の体育祭を見に来るのって面倒だから。呼ばなくていいんじゃないかと、牧田に告げたんだけれどさ。あいつが、高校生活最後の体育祭だから賑やかにやろうぜ! と言いだしてさ。あいつの知り合いの私学や女子が多いい、県商や市商の娘達にも声をかけてくれたから。お前等、牧田によくお礼を告げた方がいいぞ!」と。


 大変に困っている山下や、大島の代わりに俺が、みなへと説明をすれば。


 童貞君達は、俺からまた牧田教祖さまへと視線を変え、手を合わせ始めるのだ。


「エロエロ、牧田大明神様、有難う」と。


「この、御恩は一生忘れません」と。


 でもさ、俺や牧田の中坊の時にツレ達も、真面目で純情な彼女が欲しいからと。


 コンビニのコピー代を出したから。


 牧田だけではなく俺達にもお礼を言ってもらいたいよな、と。


 俺が自身の脳裏で、ブツブツと呟きつつも。


 翔子と加奈のカモシカの足コンビが走り終えたから。


 俺がホッ! としつつ安堵……。


 俺の勝利だ!


 翔子と加奈は守った! と思っていると。


「お前等、知っているか?」


 牧田がニヤニヤと微笑みつつ呟くから。


 この場にいる男子生徒達が、牧田に注目をする。


 ◇◇◇

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