第364話 いや、俺の勝利かな? (4)

 牧田は男子生徒達に高らかに演説すれば。


「マ、マジですか? 牧田先輩?」


 俺も一年生なのか? 二年生なのかは? よくわからないけれど。


 男子生徒達の中から。


『牧田先輩?』と。


 今にも泣き出しそうな声が聞こえてくると。


「牧田、そうなのか?」


「今の話しは本当なのか、牧田?」


「牧田先輩冗談ですよね?」と。


 苦笑を浮かべているような声音が、俺の耳へと聞こえれば。


「うぅん、やぁ……。今迄俺が皆へと述べた事は全部本当だ……」と。


 牧田の奴はまるで?


 政治家や教祖さまのように、落ち着いた物言いで、自身の首を振りつつ、みなに言葉を返すと。


「山田に聞いてみろ……」と。


 男子生徒達へと告げ。


「もしも、山田と俺がチャラ男で信じられないと言うのならば。山下と大島の二人に聞いてみろ。あいつ等の彼女は女聖だから」と。


 牧田が、自身の目の色を変えて、鼻息荒い童貞君達へと告げるものだから。


「や・ま・だぁ~! 牧田の言っている事は本当なのか?」


「牧田先輩の言っている事は冗談だすよね、山田先輩とか?」


「山下! 大島! お前等本当に彼女が出来たのか?」


「お前等二人に彼女が出来たと言っている輩が結構いるが。実は冗談だよな?」


「山下先輩や大島先輩は、俺達の仲間だから裏切ったりしないですよね?」と。


 俺だけではなく、絵美から友達を紹介してもらい。


 花の下校ライフを満喫している山下と大島の奴へも。


 童貞君達が、呻り声、吠えに近い声音で。自身の目を血走りながら尋ねてくるから。



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