第109話 高校三年生になれば、こんな噂も立つよね? (7)
でっ、一中の校門へとたどり着けば──。校門から。
『わりゃぁあああっ! 竹内ー! おんどりゃぁあああっ! 出てこいやぁあああっ! 儂がお前と勝負しちゃるけぇえええっ! わりゃぁあああっ! 出てこんかぁあああっ! 竹内ー!』と。
自身の履くグレー色の改造ズボン、ボンタンのポケットに自身の両腕を突っ込んで胸を張り──威張りながら咆哮する、のではなくてね。(笑)
下校をしている生徒に一人ずつ訊ねたよ。
「三年生の竹内君、未だ学校にいる?」、
「未だいるかな?」と丁寧に声をかけて回ったんだよ。
竹内君達不良、ヤンキーグループの者達に俺は用事があるだけ。普通の生徒に用事がある訳ではないから。
関係のないもの達に対して威嚇をする必要もないと思うの? と。
俺の通う二中とこの一中は、学区によっては小学校までは同じ学び舎で学んだ者も達もいるから知り合いも結構多いいし。竹内君達の不良・ヤンキーグループの中にも、俺と仲の良い先輩達やタメの奴もいるんだよ。
だからそんな人達を経由して、俺は他校の生徒なのに、あいつと知り合い。お付き合いをしたと言う訳だから。
以前の馬鹿な彼女の為に揉めたメンバーや竹内君以外とは俺も揉める気は一切ないので、低姿勢で一人づつに訊ねて回る。
するとさ、十人前後声をかけ、訊ねたところで。
「ああ、竹内ならば、未だ体育館の倉庫内で連れ達と屯しているのを先程、クラブの片付けをしている時に見たから。未だいると思う?」と。
(ほら、やっぱり! いたか! そら、みろ!)と俺が歓喜するような事を教えてもらえたよ。
一年坊の俺が三年生の竹内君に勝利する事など先ずあり得ない。無謀な事をするだけなのにさ。
あの時の俺は、一中の彼から聞いた言葉を耳にすると。自身の身体が震え、身震い。興奮もした。
だから俺の体内からアドレナリンの方も分泌されて身体中が熱く、火照ってきた。
そう、俺の大好きな異世界ファンタジーの
自身の大事な女性メンバーもしくはお姫様を魔王にNTRされたから仕返しにきたヒーロー達のような気分に、あの時の俺は陥っていたから。言わねば、訊ねなければいいのにさ。でっ、一中の校門へとたどり着けば──。校門から。
『わりゃぁあああっ! 竹内ー! おんどりゃぁあああっ! 出てこいやぁあああっ! 儂がお前と勝負しちゃるけぇえええっ! わりゃぁあああっ! 出てこんかぁあああっ! 竹内ー!』と。
自身の履くグレー色の改造ズボン、ボンタンのポケットに自身の両腕を突っ込んで胸を張り──威張りながら咆哮する、のではなくてね。(笑)
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