第110話 高校三年生になれば、こんな噂も立つよね? (8)

 下校をしている生徒に一人ずつ訊ねたよ。


「三年生の竹内君、未だ学校にいる?」、


「未だいるかな?」と丁寧に声をかけて回ったよ。


 竹内君達不良、ヤンキーグループの者達に俺は用事があるだけ。普通の生徒に用事がある訳ではないから。


 関係のないもの達に対して威嚇をする必要もないと思うの? と。


 俺の通う二中とこの一中は、学区によっては小学校までは同じ学び舎で学んだ者も達もいるから知り合いも結構多いいし。竹内君達の不良・ヤンキーグループの中にも、俺と仲の良い先輩達やタメの奴もいるんだよ。


 だからそんな人達を経由して、俺は他校の生徒なのに、あいつと知り合い。お付き合いをしたと言う訳だから。


 以前の馬鹿な彼女の為に揉めたメンバーや竹内君以外とは俺も揉める気は一切ないので、低姿勢で一人ずつに訊ねて回る。


 するとさ、十人前後声をかけ、訊ねたところで。


「ああ、竹内ならば、未だ体育館の倉庫内で連れ達と屯しているのを先程、クラブの片付けをしている時に見かけたから。未だいると思う?」と。


(ほら、やっぱり! いたか! そら、みろ!)と俺が歓喜するような事を教えてもらえたよ。



 一年坊の俺が三年生の竹内君に勝利する事など先ずあり得ない。無謀な事をするだけなのにさ。


 あの時の俺は、一中の男子から聞いた言葉を耳にすると。自身の身体が震え、身震い。興奮もした。


 だから俺の体内からアドレナリンの方も分泌されて身体中が熱く、火照ってきた。


 そう、俺の大好きな異世界ファンタジーの主人公ヒーロー達みたいになったと思った。


 自身の大事な女性メンバーもしくはお姫様を魔王にNTRされたから仕返しにきたヒーロー達のような気分に、あの時の俺は陥っていたから言わねば、訊ねなければいいのにさ。ついついと。


「あの、悪いんだけれど。竹内君を呼んできてもらえないかな? 一中の山田が話があるから呼んでいるって……。本当に悪いんだけれどお願いできないかな?」


 俺は一中の彼に両手を合わせ、拝むように嘆願をしたよ。


 あの頃の俺……。


 絵美と付き合うまでの俺も、あの馬鹿な女達と一緒で少し頭の方も切れていたから。


 そんなに竹内君に対して畏怖する事もなく平然と嘆願をした。



(お願い)


 レヴュー・星・感想・ハート等を軽い気持ちで頂けると励みになりますのでよろしくお願いしますm(_ _"m)


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る