第355話 元ヤンの御姉様の提案? (2)

「うん」


「そう」と蘭と翔子は頷き。


「余り遅くなると和也が、うちら送るのに大変になるからと思うので」と。


 翔子が志乃へと説明……。


 蘭が「うん」と頷き。


「だよね~」と沙紀が納得して、マックシェイクをジュルジュルと可愛く啜る姿を見惚れると。


「和也~?」


 先ほどまで俺に対して、不機嫌極まりない様子でいた志乃が、俺へとやっと微笑みかけてくれるから。


「ん? 何だ、志乃?」と。


 俺は沙紀と蘭と翔子の三人を見詰める行為を辞め、横を振り向くと。


「うぅ~ん」と。


 志乃は甘え声色で呻りつつ、俺の顔へと迫り、唇をブチュ! と。


 またところ構わず、俺にお熱い、大人のキスをしてきて、少し堪能をすれば。


 自身の唇を俺から離し、『あら、このお姉さん、また和也とキスをしている』と言った顔をしている。


 沙紀と蘭と翔子の方を向いて。


「沙紀ちゃんと蘭ちゃん、翔子ちゃん。お姉さん、御機嫌良いから。うちが可能な限り、三人を和也の家から送って帰ってあげるよ」と。


 志乃は満身の笑みを浮かべつつ、三人へと告げ、説明をすれば。


「うそ~?」


「本当ですか~?」


「志乃さん、良いの~?」と。


 沙紀、蘭、翔子の順に、自身の瞼を大きく開けながら志乃へと尋ねる。


「ん? 別に良いよ」、


「御姉様は、構わないよ」と。


 翔子が三人へと微笑みながら告げるから。


 俺は何処かで聴いたことのある台詞……。


 よくラブコメの主人公達が漏らすような台詞、言葉を志乃へと告げ、尋ねる。


「志乃、お前、まさか? 毎日、俺家へとくる気じゃ、ないだろうなぁ?」と、尋ねてみる。


「うん、そのつもりだけれど。いけない?」、


「どうせ、毎日誰かがいるんじゃろぅ、一樹?」


 志乃が俺に尋ねるから。


「うん」と頷けば。


「明日から二高の前で、和也達をまちょぉるけぇ」と。


 志乃が微笑みながら俺へと告げてくる。


 でも明日からは、家の学園の春の終わりの最後の行事の練習が始まりだすから。


 俺が志乃へとあることを告げようとすれば。


「山田~」と牧田が俺を呼ぶから。


「ん? 牧田、何だ?」と。


 俺が首を傾げると。


「明日から体育際の練習じゃねぇ?」


 牧田が俺よりも先に、体育歳の練習があると告げるから。


『志乃~』と、俺が呼ぼうとすれば。


「うん、待つよ」と。


 あいつは微笑みながら、俺とのやり直しの人生を始めるから待つのだと告げてきた。



 ◇◇◇




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