第354話 元ヤンの御姉様の提案? (1)
「幸は良いよね?」
「……ん? 何が、蘭?」
マックシェイクを啜り、ポテトをパクパクとウサギのように可愛く食べるサチと由美……。
そのマックポテトは牧田が購入した物だが、二人は気にもしない様子で食べるから。
彼女達みなに、酷い男! 悪人! 最低の男だと罵られ、椅子の上で正座をさせられ、反省をさせられている俺は。
後で牧田に、サチと由美が食べたポテトの料金は返そうと、心に決めながら。
蘭と幸の様子を窺うと。
「いや、幸は、和也の家からわりと近いみたいで。家に遊びに行って遅くなっても送って帰ってもらえるから良いなと思ってね」
蘭が幸へと、にへらと笑いながら告げると。
「蘭の言う通りで良いよね。幸や山本さん。そして和也家の真横の由美や近所の絵美さんも……。志乃さんもわりと和也の家から近い所なんでしょ? 地元が隣の学区って、先程志乃さんがうちらの教えてくれたから」と。
翔子が、俺の家からわりと近いメンバー……。
そう、俺が自転車で送ることが可能な範囲に住んで居る学区や町に住んで居る者達のことを羨ましい! 恨めしい! と嘆くと。
「蘭ちゃんや翔子ちゃん、沙紀ちゃんは何処が家なん?」
俺への御仕置きが終わり、コーヒーを優雅に? 飲んでいた志乃が、三人へと微笑みかけながら尋ねると。
「私達三人、南区なんです」
蘭が肩を落としつつ、志乃へと告げる。
「そうなんじゃ?」
「えぇ」
「はい」
「そうなんです」と。
蘭と翔子と沙紀が志乃へと言葉を返すと。
「だから和也の家に遊びにいってもできるだけ早く……と、言っても? まあ、家は両親が煩いので早めに帰りますが。蘭や翔子もわりと早く帰っているよね」
沙紀が志乃から蘭や翔子へと変え、尋ねる。
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