第194話 高校三年生になれば、モテ期の元カノが更にモテ期に? (20)

「う~ん、そうだな?」と。


 俺は腕を組み、自身の顎へと指を当てつつ、考える人だ。


 でっ、俺は考える人へと変貌しながら。


 お洒落な下着専門店の、店内を自身の瞳を動かしつつ品定をすると。


「あれと。あれかな?」と声を漏らし。


 また俺は自身の瞳を動かして、


「そしてあれもいいし。あの派手、派手しいのも、蘭には似合うと思うぞ」と。


 俺は自身の趣味──好みの下着をね。


 蘭に押し付けるように。


 俺は目で合図しながら告げた。


 だから蘭の奴は直ぐに俺へと不満を漏らしてきたよ。


「和也、あれと、あれ。これと、これだと。うちに言われても解らないよ」とね。


 でもさ、お店の店内はね。


 俺と蘭の二人だけではなく。


 他校の女子達や大学生?


 OLの姉ちゃんなのかは、俺自身にもよくはわからないけれど。


 結構JKの女子達や女性達がいてさ。


 俺の方をチラチラと見ていると言うか?


 俺自身が只単に自意識過剰なだけかも知れないけれど。


 俺の方をチラチラと見ては、照れ恥ずかしそうにしながら。


 このお洒落な下着専門店から出ていってくれるのならばいいのだけれど。


 俺の方を見てはクスクスと、薄ら笑いを浮かべつつ友達同士で。


「あんた、これなんか似合うんじゃない」


「あんたの方こそ、こんなのが良いと思うよ。チラリと見えた時に男子だって喜ぶと思うしさ」と。


 売り場に展示してある官能的で派手な下着を。


 お互いが手で広げ、商品の見せやぃをしながら二人だけの世界……ではなく。


 明らかにこちら。


 俺の方をチラチラ見てきては。


 俺と目が合うと。


 先ほど俺が説明をした通りでね。


「クスクス」と意味深に笑いかけてくるものだから。


 俺自身もついついとガラにもなく赤面……。


 だからさ、蘭の奴の御機嫌が麗しいものから。


 不快なものへと変わるし。


 あの日と言うか?


 あの時から蘭の奴は、俺と二人っきりになれば妙にべったりと。


 俺に甘えてくるようになった気がするのと。


 俺に対して妙に積極的になった気がするから。


 俺の目での合図──ジェスチャーでは蘭の奴は気に入らないから。


「和也、どれと、どれ? うちにはっきりと言ってくれないと解らないから」と。


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