第342話 元ヤンの御姉様は学生らしい(3)

 他の奴等が不機嫌にと言うことも、俺達は余りない。


 みんな個性が色々あるから。


「私も和也に殴られたことがあるよ」


「そうなんだ?」


「うん」と。


 沙紀は大変に御機嫌麗しい翔子に問われ頷くと。


「私、和也を殴ったことはあるけれど。殴られた事はない」と。


 こいつ多分、サイコパスに違いないと思われる加奈が、無表情で手を挙げ、告げると。


「由美も一度だけ、和君の頬を叩いた事があります!」と告げ。


 今日は塾できていない絵美の奴からは、俺は幼い頃から一方的にあいつが切れて、頬を何度も打たれているなと思えば。


「私、和也に殴られたこともないし、叩いたこともないよ。幸が告げる」と。


「幸、うちもないよ。和也を叩いた事も殴られた事も……。これって変なのかな?」と。


 蘭が苦笑いを浮かべつつ、みなへと告げると。


「えっ! 以外! 気が強そうな蘭が、和也を叩いたり、叩かれたり、口喧嘩をしないって意外だな?」


 翔子の奴がマジで困惑した表情で、蘭へと告げると。


「あっ! それは、俺は思う?」と。


 牧田も言い始めるから。


 蘭の奴が困惑を始めだすから。


「みな一人ずつがキャラが違うし。だから一緒にいても面白いし」と。


 俺はみなに告げると。


「蘭は基本、御姉さまキャラだから。俺が寝くじ食ってブツブツ文句……。不満や八つ当たりをしても全然怒らないし。俺が愚痴を漏らしても。『うんうん』頷き、あやしてくれるタイプだから喧嘩にはならなし。俺が亭主関白みたいな感じで一方的に怒っているよな?」


「そうだっけ?」


「うん」と俺は頷くと。


「でも、俺は蘭の尻は良く叩くし、真っ赤になるぐらい叩く時もあるぞ!」と。




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